王者ホークスの“弱点”をあえて挙げるなら…来季飛躍が期待される選手は?

ブレイクの兆しを見せながらも選手層の厚さに押された若手選手

 盤石なブルペン陣をさらに充実の陣容とするため、「ポスト森福」嘉弥真投手に期待する。サイドスローへ転向したばかりだが、貴重な中継ぎ左腕として自己最多の58試合に登板。ワンポイント・回跨ぎ・連投全てをこなす器用さ、タフネスさを見せ付けた。

 野手陣では22歳の上林がシーズンを完走してブレイクを果たした。今季開幕スタメンを勝ち取ると、13本塁打、打率.260と年間を通して安定した成績を残す。シーズン閉幕後に行われた「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ」でも日本代表のクリーンナップを任され、初日の韓国戦で値千金の同点弾を放った。柳田、中村晃などを筆頭に、熾烈を極める外野手のポジション争いにおいて、来季以降も存在感を出していきたい。

 育成出身の甲斐は、日本球界最速の二塁送球タイムを誇る強肩と、小柄ながらパンチ力のある打撃で今季の正捕手に定着。チームの捕手では最多の103試合に出場し千賀と東浜のタイトル獲得、チームのリーグ制覇、日本一に大きく貢献した。育成出身の選手としては史上初のゴールデングラブ賞・ベストナインに選出されるなど、福岡ソフトバンクのスカウティング力・育成力の象徴にもなっている。

 その他にも松本裕投手がプロ初勝利を挙げて一時先発ローテーションの一角に食い込み、これまた育成出身の飯田投手が安定感を発揮しながらも19試合のみの登板に終わり、来季の飛躍を期している。

 昨季以前にブレイクの兆しを見せながらも選手層の厚さに押された若手、本来の力を出し切れなかったベテランなどが再起を目指す来季、チーム内の競争はますます激しいものになるだろう。振り出しに戻ってしまった悲願の「3連覇」に向けて――。常勝軍団はさらに進化を続ける。

【動画】今シーズン、プロ初勝利を上げたソフトバンク・石川

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