日ハムへのトレードが飛躍の契機に? 巨人で伸び悩んだ大砲候補と左腕の躍進
栗山監督も期待、大田と公文がトレード1年目でキャリアハイ
昨年のシーズン終了後、北海道日本ハムと巨人の間で、2対2の交換トレードが成立した。巨人から北海道日本ハムに移籍し、栗山英樹監督から「右の大砲と左ピッチャー。喉から手が出るほど欲しかった。キラキラと輝くように、持っているものを1軍で出せるようにしてあげたい」と期待を寄せられた大田泰示外野手と公文克彦投手。古巣でなかなか結果を残せなかった2選手は、新たな気持ちで新天地でのシーズンに挑んだ。
両選手ともに、春季キャンプは1軍で過ごす。迎えたオープン戦で、公文は9試合に登板して1勝0敗1セーブ、防御率1.13という優秀な成績を残し、見事に開幕1軍を勝ち取った。一方、大田は怪我の影響もあって2軍で開幕を迎えることになった。
新天地で好スタートを切った公文は、貴重な左の中継ぎとして期待され、開幕戦の初登板から3試合連続の無失点リリーフを見せた。しかし、4試合目の登板では1回2失点。さらに4月20日のオリックス戦で1死も取れず自責3。防御率は10.13まで悪化し、翌日登録を抹消された。
約1か月間のファームでの調整期間を経て、1軍のマウンドに戻ってきたのは5月28日の福岡ソフトバンク戦。そこから6月15日の中日戦まで9試合連続で無失点に抑える。14日の中日戦では、延長11回裏に7番手として1回を無失点に抑えると、12回表に味方が勝ち越しに成功。プロ5年目にして初の白星を挙げた。
その後も好リリーフが続き、6月は12試合に登板して2勝、防御率1.00と、トレード時の期待に応える活躍。7月は疲労からか打ち込まれる試合もあったが、再びファーム調整を経てシーズン終盤に再昇格を果たすと、9月10日から10月5日まで12試合に登板、全て無失点に抑えた。最終的な成績は41試合3勝0敗3ホールド、防御率2.70。巨人時代の4年間で通算15試合、未勝利に終わっていた左腕は、新天地で飛躍の1年を送った。