期待の若手が武者修行、アジアウィンター・ベースボールリーグが面白い

日本にゆかりのある選手や来年のドラフト指名候補も

 外国人選手で日本に馴染みがあるのは、2015、2016年の2年間千葉ロッテに所属した、KBO選抜のイ・デウン投手だ。今年は韓国の警察野球団で19試合に投げ、フューチャーズリーグで防御率2.93の成績を残して最優秀防御率のタイトルを獲得した。

 先の「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ2017」で来日した選手も数人、今回のCPBL選抜に合流している。今季40登板した力投型の朱俊祥投手と、192cmの長身からサイドハンドで投げ込む王鴻程投手は、ともに日本戦で登板。速球はそれぞれ150km台を計測する。ちなみに、名前が似ている捕手の陳重羽選手と内野手の陳重廷選手は双子だ。2人は今年7月のドラフトで統一から1位、2位指名されてプロ入りした。

 チームWBSCでは、クレイトン・モーテンセン投手がメジャー通算5年で74試合に登板の実績を持つ。2013年にはワールドシリーズを制したレッドソックスでプレーし、今年はマーリンズのマイナーに所属した。捕手のジョン・マーフィー選手は、2013年のアジアシリーズ準決勝で延長10回に決勝2ラン、決勝ではグランドスラムを放つなど、9試合で2本塁打9打点と大活躍し、大会MVPに輝いている。

 JABA選抜も見逃せない。アマチュア代表とはいえ選手の平均年齢はNPB選抜のチームより高く、10月の侍ジャパン社会人代表メンバーが8人選ばれるなど国際経験もある。サイドスローの鈴木健矢投手や、日本選手権で優勝したトヨタ自動車をけん引した北村祥治選手など、来年のドラフト指名候補を筆頭に注目したい。

「実戦に勝る練習なし」とは、よく言われる格言だ。勝手の違う異国で生活を送り、慣れない相手と戦い、異なる文化に適応を迫られる――。遭遇して対処したイレギュラーの数だけ、特殊な肥やしとなって将来に芽吹く可能性が高まるのではないだろうか。ひと冬を越えて、若手選手がどれだけたくましく成長するか、その過程を楽しみにしたい。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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