松井秀喜氏の米殿堂入りを「真剣に考慮すべき」 米名物コラムニストが主張

松井氏の日米での実績を評価「柔軟に考えるべき時がきている」

 つまり、メジャーでの実績だけでなく、日本での実績も考慮するべきだというのだ。殿堂入りしていないダスティ・ベイカー、ルー・ピネラといった名前も列挙。選手、監督それぞれの成績では殿堂入りに届かないものの、その両方を合わせれば十分にクーパーズタウン行きに値する実績を残してきたのではないかと、言及している。

「松井の野球人生を考えてみよう。彼は日本とMLBで500本塁打以上を放ち、日本の球史で最も偉大な選手の一員とみられている。彼は渡米し、同じ頻度で本塁打を放ちはしなかったものの、5000以上の打席でMLBキャリア通算OPS+が118と並外れた選手だったため、彼の海外での成績は真剣に受け止められるべきだ」

 メジャーでは成績が落ちたものの、特筆すべき数値もあり、日本時代に残した実績も重視すべきだという。また、成績以外の部分を評価されて殿堂入りする人間も増えてきているとも指摘。シャーマン記者は 「腹を割って話そう。殿堂はすでに記者投票を通してないにも関わらず、厳格な『MLB経験が最短10年』から範囲を広げ、人々を殿堂に入れている。ネグロリーグ出身選手は正当にまつられている。審判を含む貢献者もだ。ちょっと待て、審判のキャリア全体は考慮するのに、松井秀喜やダスティ・ベイカーのそれは考慮しないというのか?」と率直に綴っている。

 松井氏の殿堂入りが米国で真剣に検討されるようなことがあれば、歴史が変わる。記事では「柔軟に考えるべき時がきている。この問題を排除することはできず、国際的な競技であることを無視することはできないと認識する時が。例えばヒューストンのユリエスキ・グリエルは松井と似たキャリアの最中にある。オーナーたちが有色人種の選手をメジャーから排除していたのと同じようにMLBに来ることを国から禁止されているキューバで、彼が最高の打者だったであろうことを忘れるべきだろうか?」とも訴えている。

 日本人選手では、27歳で渡米しながら、今季までに通算3080安打、MVPが1度、首位打者2度、10年連続ゴールドグラブ賞など輝かしい実績を残してきたイチロー外野手が、有資格1年目での殿堂入りが確実と見られている。突き抜けた存在であるイチローはあまりにも特殊な例で、今後、その他の日本人選手が米国野球殿堂入りを果すことはないかもしれない。

 ただ、名物コラムニストが松井氏も殿堂入りを考慮するに値すると訴えているように、日本人選手への見方も変わってきているようだ。「全てを解決するものではないだろう。しかし、小さな前進は停滞より良い」。シャーマン記者の主張は、どれだけの人間の心に響くだろうか。

(Full-Count編集部)

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