郭、松坂、涌井…西武が誇る「18」の系譜、来季3年目・多和田が目指す飛躍

涌井は「18」継承1年目に最多勝&沢村賞

 この後2年間の空白があり、2009年から5年間「18」の系譜に名を連ねたのは、涌井秀章投手(現・千葉ロッテ)だ。「18」元年からその重圧を跳ね除けて、16勝6敗、11完投4完封、防御率2.30と大車輪の活躍。最多勝と沢村賞を獲得した。正確なコントロール、無尽蔵のスタミナ、クールなマウンドさばきは、まさに「エース」の理想そのものだと言える。

 そして現在、埼玉西武の「18」を背負うのは、来季プロ3年目を迎える多和田真三郎投手である。2015年ドラフト1位で埼玉西武の一員となると、1年目から1完封を含む7勝を挙げ、順調なスタートを切った。ノビのある直球と、キレ味抜群のスライダーが特徴的で、好調時は相手打者に付け入る隙を全く与えない支配的な投球を見せる。

 ただ今季は制球に苦しみ、シーズン序盤はファーム調整を余儀なくされた。しかし、再昇格後の7月に3連勝、8月には2試合連続完封勝利を収め、そのポテンシャルの高さを証明。シーズン閉幕後には、稲葉新監督が率いる若き侍ジャパンに選出され、そこでも「18」を背負った。「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ」では、初戦の韓国戦に3点ビハインドの5回から登板すると、2回無失点の好投で後のサヨナラ勝利を呼び込む一助となった。

 大器の片鱗を見せたとはいえ、シーズンを通して成績を残せなかっただけに、来季の多和田には、いよいよ「18」に見合った活躍が求められるだろう。第一線では今季完全覚醒を果たしたエース・菊池が待っている。来季のマウンドに投手陣をけん引する左右のWエースの姿があることを、今から楽しみにしたい。

【動画】今季ロッテ戦で角中に対して見事な投球を見せた多和田

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