西武炭谷が第9代会長に就任 日本プロ野球選手会の使命とは

前選手会長の嶋も信頼「炭谷君なら任せられる」

 現在は「一般社団法人日本プロ野球選手会」と「労働組合日本プロ野球選手会」が併存。前者は「選手ならではのアイデアや行動力で野球界を活性化させる」ため、野球振興や社会貢献活動を担う。そして、労働者としての選手による組合である後者は、主に雇用者である球団との間での待遇改善交渉を行う。

 オリックス・ブルーウェーブと大阪近鉄バファローズの合併構想に端を発する2004年の「球界再編問題」において、当時第5代選手会長だった古田敦也氏が「12球団2リーグ制の維持」を掲げて史上初のストライキを決行した模様は、未だ野球ファンの記憶に生々しく残っていることだろう。

 このたび選手会長に就任した炭谷は、2005年にドラフト1位で西武に入団した30歳。チームの投手陣からは厚く信頼を寄せられ、日本代表にも幾度となく選出されるなど、球界を代表する捕手として第一線で活躍を続けてきた。また、2015年からは、「公益社団法人 難病の子どもとその家族へ夢を」を通じて、難病と闘う子どもたちとご家族への支援活動を行っている。昨年から埼玉西武の選手会長を務めており、その経験と人望を買われ、9代目の選手会長に任命された。高卒選手としては初の選手会長となるが、大卒より高卒の方が多い選手の立場に立ち、諸問題の対処にあたっていくことが期待されている。

 前任の嶋は、新井貴浩(広島)の後を継いで、2012年に史上最年少、パ・リーグ初の選手会長となった。5年間の任期で、学生資格回復の新制度成立、統一球問題、年俸の事前通知制度など多くの問題に対応してきた。後任の炭谷については「いろいろな方向から意見が言える。リーダーシップもあるし、炭谷君なら任せられる」と語った。

 嶋は選手会の仕事に精力的に取り組み、その手腕を高く評価される一方で、チームの正捕手と主将も務めていたため、心身にかかる負担の大きさを心配されていた。しかし、プロ野球選手の地位を向上させ、野球界が球児たちの目標であり続けるために、選手会が果たす役割はあまりにも大きい。パ・リーグでは2人目、9代目選手会長となった炭谷。今後は埼玉西武の捕手としても選手会長としても、野球界の発展に寄与してくれることだろう。

【動画】炭谷が難病と戦う子供と家族を招待、子供とキャッチボールで触れ合いも

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