“育成球団”ホークスの実際は? 92人を指名した過去10年のドラフト査定

数年かけて選手を育てるホークス、2015年以降はまだ1軍戦力にはなれず

2015年
1位・高橋純平 投 県岐阜商高 1試0勝0敗0S0H 防御率12.00※
2位・小澤怜史 投 日大三島高 2試0勝0敗0S0H 防御率13.50※
3位・谷川原健太 捕 豊橋中央高 1軍出場なし※
4位・茶谷健太 内 帝京三高 2試1安0本0点0盗 .500※
5位・黒瀬健太 内 初芝橋本高 1軍出場なし※
6位・川瀬晃 内 大分商高 1軍出場なし※
育1位・野澤佑斗 投 つくば秀英高 1軍出場なし※
育2位・児玉龍也 投 神奈川大学 1軍出場なし※
育3位・樋越優一 捕 東京農業大学北海道オホーツク 1軍出場なし※
育4位・中村晨 投 ルーテル学院高 1軍出場なし※
育5位・渡辺健史 投 飯塚高 1軍出場なし※

 3球団競合の末に高橋を引き当て、この年は支配下で指名した6選手全員が高校生。長期的なスパンでの育成を念頭に置いた指名だった。高橋、小澤が1軍マウンドを経験し、茶谷も1軍デビューし初安打も放った。来季、再来季に何人かが1軍戦力になるよう育成している最中と言えるだろう。

2016年
1位・田中正義 投 創価大学 1軍出場なし※
2位・古谷優人 投 江陵高 1軍出場なし※
3位・九鬼隆平 捕 秀岳館高 1軍出場なし※
4位・三森大貴 内 青森山田高 1軍出場なし※
育1位・大本将吾 外 帝京第五高 1軍出場なし※
育2位・長谷川宙輝 投 聖徳学園高 1軍出場なし※
育3位・田城飛翔 外 八戸学院光星高 1軍出場なし※
育4位・森山孔介 内 藤沢翔陵高 1軍出場なし※
育5位・清水陸哉 外 京都国際高 1軍出場なし※
育6位・松本龍憲 内 崇徳高 1軍出場なし※

 5球団競合を引き当てて1位指名した田中正義は1年目、右肩の故障に苦しみ、2軍でもほとんど登板出来ず。2位の古谷は最速154キロを誇る左の好素材。シーズン終盤に初の1軍昇格を果たしたが、登板機会はなかった。まだ、全選手1軍出場はないが、将来性は豊かで、数年かけて育てていくことになる。

2017年
1位・吉住晴斗 投 鶴岡東高
2位・高橋礼 投 専修大
3位・増田珠 外 横浜高
4位・椎野新 投 国士舘大
5位・田浦文丸 投 秀岳館高
育1位・尾形崇斗 投 学法石川高
育2位・周東佑京 内 東農大北海道オホーツク
育3位・砂川リチャード 内 沖縄尚学高
育4位・大竹耕太郎 投 早稲田大
育5位・日暮矢麻人 外 立花学園高
育6位・渡邉雄大 投 新潟アルビレックスBC

 12球団でも屈指の戦力層を誇るソフトバンク。現在のチーム方針では、ルーキーが即1軍で起用されることはほぼなく、まずは体作りと3軍戦に出場して、2軍戦出場を目指すことになる。2軍戦でアピールして、初めて1軍が見えてくる。2013年ドラフトの上林、石川が今季になって1軍定着を果たしたように、ソフトバンクの新人は数年間、じっくりと育てられている。

 また、育成選手を数多くチームに迎え入れており、千賀や甲斐、石川といった選手が、原石から磨き上げられていったところも特徴だろう。その一方で、獲得選手が多いために表舞台に立つことなく、チームを去った選手も数多くいる。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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