目的は“不良債権”処理!? ドジャースとブレーブス、驚きの大型トレード敢行
メキシコ代表ゴンザレスは戦力外、ケンプも再トレードか解雇予定
ドジャースは16日(日本時間17日)、ブレーブスからマット・ケンプ外野手をトレードで獲得し、代わりに一塁手エイドリアン・ゴンザレス、左腕スコット・カズミア、右腕ブランドン・マッカーシー、内野手チャーリー・カルバーソンと金銭を送ったと発表した。同時に、ブレーブスはゴンザレスに戦力外通告したことも発表。現地の報道を総合すると、今回の驚きのトレードは、互いの不良債権を解消することが主な目的だという。
ジャンカルロ・スタントン外野手のヤンキース入りに次ぐ大型トレードが敢行された。ドジャースは2006年から14年まで同球団でプレーしたケンプを再獲得したが、米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、すでにトレード放出か解雇する方針で固まっているという。一方、ブレーブスはすでにゴンザレスに戦力外通告。互いに“不良債権”とされたベテラン野手の放出に成功した。ケンプは19年まで2年4300万ドル(約48億4100万円)、ゴンザレスは来季1年のみ2150万ドル(約24億2000万円)の契約を残していた。
米全国紙「USAトゥデー」のボブ・ナイチンゲール記者によれば、今回のトレード成立のためにはゴンザレスがトレード拒否権を破棄しなければならなかった。だが、ドジャースから来季の出場機会が減ることを告げられたゴンザレスは、トレードを認めたという。また、戦力外となったゴンザレスにはブレーブスから来季年俸が支払われる。
左腕カズミア、右腕マッカーシー、内野手カルバーソンはブレーブスの戦力として計算されており、先発と控え野手補強が課題だったチームのニーズを満たした。チーム再建途中のブレーブスにベテラン投手のカズミアとマッカーシーは異色にも映るが、契約は来季を残すのみ。若手投手が成長するまでの補強と考えれば納得がいく。また、米スポーツ専門サイト「ファンラグ・スポーツ」のジョン・ヘイマン記者によると、ブレーブスは450万ドル(約5億700万円)も手に入れた。
今回のトレードで、ドジャースは来季の年俸総額がぜいたく税の対象となる1億9700万ドル(約221億7800万円)を下回る見込み。ローゼンタール記者によれば、ドジャースは5年連続でぜいたく税の対象となり、毎年3000万ドル(約33億7700万円)をペナルティーとして支払ってきた。だが、来季課税対象から外れれば、2019年以降に再びぜいたく税の対象となった場合でも課税の割合が現在の50%から20%に下がるという。
ブレーブスは前GMジョン・コッポレラ氏が外国人選手との契約規則に違反したとして球界を永久追放された。これに代わり、今オフから元ブルージェイズGMで、2016年から2季をドジャースのフロントで働いたアレックス・アンソポウロス氏が新GMに就任。チームの立て直しを図っていたが、“古巣”と利害関係が一致したことで大型トレードを敢行したようだ。
今回のトレードを見ても、ドジャースは来季の年俸支出を抑えることが優先事項のよう。現在フリーエージェントのダルビッシュ有投手の獲得は、さらなるトレードで大型契約選手を放出しない限り、実現の可能性は低そうだ。
(Full-Count編集部)