新たなチームの「顔」へ 右肘手術乗り越えたハム23歳右腕の決意

日本ハム・上沢【写真:石川加奈子】
日本ハム・上沢【写真:石川加奈子】

来季7年目迎える上沢、チームの転換期に飛躍なるか

 増井浩俊投手と大野奨太捕手の移籍、大谷翔平投手の渡米などに伴って、来季は本格的な転換期を迎えるだろう北海道日本ハム。今シーズンは活きのいい若手が少しずつ頭角を現してきたものの、より多くの選手に「チームを背負うのは自分だ」と名乗りを上げてもらわねばならない。特に投手陣の中では、来季7年目を迎える23歳の上沢直之投手に注目だ。

 千葉県の専大松戸高校から、2011年ドラフト6位で北海道日本ハムに入団した上沢投手。187センチと長身であり、同じ長身右腕の大投手にちなんで「松戸のダルビッシュ」の異名を取り、将来を嘱望されていた。ただ1年目、2年目ともに1軍登板はなく、ファームでも防御率5点台前後と振るわなかった。

 しかし、2年目のフレッシュオールスターでは緊急登板で好投を見せて優秀選手に選出され、3年目に大きな飛躍を果たすことに。2014年4月2日の福岡ソフトバンク戦、6回1失点の好投で1軍初登板・初勝利を挙げると、4月17日のオリックス戦まで3連勝を決める。「デビュー戦からの先発3戦3勝」は、北海道日本ハムにおいては2002年のシールバック以来、実に12年ぶりとなる快挙だった。その後も勝ち星を重ね、高卒3年目ながら先発ローテーションを守り抜く。最終的な成績は、23試合8勝8敗、防御率3.19だった。

 その年のオフに行われた「第1回 IBAF 21Uワールドカップ」でも先発投手としてベストナインに選出され、2015年はさらなる飛躍を期待された。しかしシーズンを通して本来のパフォーマンスを発揮できず。終盤からは右肘の違和感に苛まれ、2016年春、右肘関節滑膜ヒダ切除術に踏み切ることになる。術後8週での実戦復帰に向けてリハビリに励んだが、チームが日本一に輝く2016年のシーズン中に、1軍復帰を果たすことはできなかった。

来季背番号「15」へ、「自分の中でいいきっかけに」

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