戦力放出セール真っ只中のマーリンズ、第1弾流出ゴードンが痛烈批判「恥だ」
ゴールドグラブ賞の二塁名手ゴードン、新天地マリナーズでは中堅に
マーリンズはデレク・ジーター氏ら新オーナーが就任後、人件費削減のために主力選手を大量放出するファイヤーセールを敢行し、物議を醸している。その先陣を切った格好となったのは、マリナーズに移籍したディー・ゴードン内野手だ。若手選手と引き換えにトレードされたスピードスターはファイヤーセールに激怒。「恥だ」と不満の声を上げている。地元紙「サン・センチネル」が報じている。
二塁手として2015年にゴールドグラブ賞に選出された名手ゴードンだが、新天地ではメジャー屈指の二塁手ロビンソン・カノがいるために、センターに転向することになった。マリナーズのクリス・プリート外野守備コーチの訪問を受けるなど少しずつ準備を進めているゴードンは、今回のトレードは「自分が頼んだわけではなかった」と振り返っている。そして、自身に続き、ヤンキースに本塁打王ジャンカルロ・スタントン外野手を、カージナルスにマルセロ・オズナ外野手を放出した古巣マーリンズの動きについて「酷い」と一刀両断している。
「酷い。これはほとんど…いやほとんどじゃない。ずばり、恥ずかしいよ。ホント恥ずかしい。誰かを叩くつもりはないけれど、これまでの出来事は良くない。誰かを貶めるつもりではないけれど、(放出されたのは)チーム最高の3選手なんだ。成績不振で放出されたわけじゃない。理由は新オーナーが面倒見切れないからなんだ」
人格者としても知られる温厚なゴードンは慎重に言葉を選びながらも、一連のファイヤーセールに納得がいかない様子だったという。納得がいかないのはゴードンだけではない。“残された”J・T・リアルミュート捕手はトレードを志願し、クリスチャン・イエリッチ外野手も球団と話し合いの場を持つという。公開討論会ではジーター最高経営責任者に対し、ファンから「3Aのチームに年間チケット代を払うつもりはない」と厳しい言葉が投げかけられた。
ゴードンは、チーム再建を図るならマーリンズに残っている主力選手も勝てるチームにトレードするべきだと主張する。そうでなければ「彼らが気の毒」だという。
12億ドル(約1361億1700万円)の巨費で球団を買収しながら、いきなりコスト削減に血道を上げるジーター流経営術。ファン、かつてのスター選手、そして現在の所属選手も疑念の視線を向けるマーリンズ新体制の船出は厳しいものとなっている。