南アジアと中東の野球発展に…「ドバイカップ」を主催するパキスタンの願い
パキスタン主催のインド戦も、舞台は中東のドバイ
12月10日、大谷翔平投手のエンゼルス入団会見でファンが盛り上がりをみせていた裏で、アラブ首長国連邦ドバイではパキスタンとインドによる未来を賭けた国際試合が行われていた。
去る11月に静岡で行われた「第9回 BFA U-15アジア選手権」で来日していたパキスタン代表が次に迎えた国際試合は、インドとの3ゲームシリーズ、通称「ドバイカップ」だった。南アジア地域のリーダーとして野球に力を入れているパキスタンは、選手たちに試合経験を積ませるため、7月時点で既に新たな国際試合を計画していた。今大会に出場したのは日本で言う“社会人代表”であり、過去のWBC予選や台湾でのアジア選手権を経験した選手たちが中心となったチーム編成だった。
なぜ開催地に、パキスタンでもインドでもなく、あえてドバイを選んだのか。パキスタン野球連盟の専務理事を務めるサイード・ファカー・アリ・シャー氏は「ドバイをはじめ中東地区で野球普及をするためだ。すでにドバイにはリトルリーグはあるが国内での知名度はまだまだ低い。また、将来的には南アジアと中東諸国を巻き込んでリーグ戦を開催したいと思っている。今大会はその第一歩だ」と語った。
今回対戦したインドとは、近隣諸国が集まる西アジアカップで対戦経験はあるというが、選手情報についてはほぼないに等しい状態。たとえぶっつけ本番でも首脳陣や選手たちは意気揚々と現地入りをするはずだったが、筆者はまさかの事態を聞かされることになる。