先発-救援-先発-救援…配置転換のたびに結果 39歳まで阪神で生き抜いた右腕
再転向で見事に復活、成熟したマウンドを見せた安藤
普通であればこのまま消えてもおかしくなかったが、2013年、35歳になる年に救援投手に再転向。58試合に登板して4勝23ホールド、クローザーになった1歳上の福原忍につなぐセットアッパーとして見事に復活した。
セットアッパーとしても抜群の成績とは言えず、防御率は2点台から3点台だったが、塁上に走者を出しても大崩れしなかった。また、故障で戦線離脱することも、ほとんどなかった。2013年から2016年まで、4年連続で50試合以上登板。38歳の2016年には42回2/3を投げて被安打わずか29、被打率.196という好成績を残した。速球の球威は落ちていたが、制球力が向上。またフォークに磨きがかかり、技巧派投手として成熟したマウンドを見せた。
39歳で迎えた2017年のシーズンは、チーム最年長の投手になったが、桑原謙太朗の台頭、マテオ、高橋聡文、岩崎優と中継ぎ投手陣の充実によって、1軍昇格の機会がなく、9月5日に初昇格したがこの試合で打ち込まれたことで引退を決意した。通算成績は77勝66敗11セーブ76ホールド。先発-救援-先発-救援と3度も持ち場を変わりながら、その都度結果を出してきた。チームにとって重宝する投手だった。
引退後は阪神の2軍コーチとして若手の育成に携わる。安藤の豊富な経験は、若手の育成に大いに役立つのではないだろうか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)