リーグ拡大、米マイナー参戦…巨人史上最強助っ人が語る、独自のNPB改革案
“2軍選抜”が米マイナーに参戦するメリットとは
もう1つの理由についても、クロマティ氏は独自の考察を示した。
「今の日本の野球のレベルはまた下がってしまった。理由はワンパターンにもあります。パシフィック・リーグとセントラル・リーグには6チームしかありません。私が来た時と変わらない。MLBのようなエクスパンションがない。時々、交流戦で別のリーグと戦いますが、同じチームとばかり対戦しています。同じ相手に同じプレー……」
MLBはエクスパンションと呼ばれるリーグ拡大を経て、現在はア・リーグ15球団、ナ・リーグ15球団の全30球団でワールドシリーズ王者の座を争っている。コミッショナーのロブ・マンフレッド氏はチーム数を増やす方針を示し、アメリカ国内のみならず、野球人気のグローバル化を目指している。
日本は6球団による2リーグ制で揺るぎない伝統を築いているが、反面、レベルダウンを引き起こしているとクロマティ氏は独自の見解を主張。警鐘を鳴らす一方で、改革案を示している。
「自分よりも優れたチームと戦うことが成長には必要です。日本のファームチームはアメリカでマイナーリーグのチームを設立し、そこで1年間戦うことも成長するためにはいいかもしれません。NPBがこのプランを気に入るかわからないが、これも選手が個々に成長するための施策になるでしょう。以前よりもメジャーとの差が開いてしまった今、日本のベースボールの国際的な競争力も高まると思います」
日本のファームで修練を積んでいるタレントを集結させ、米マイナーリーグに“日本代表”として送り込む。そして、メジャーのスーパースター候補相手に1シーズン、厳しい戦いを続ける。この武者修行は日本球界の底上げにつながると、クロマティ氏は提言している。
「これはあくまで私案だが、全ての球団から選手を集めるマイナーリーグをアメリカに作る。ルーキーリーグ、1A、2Aのディビジョンに1チームずつ作るのはどうでしょう。何よりも選手はタフになります。メジャーのスタイルも導入できる。英語も覚える。成長できます。メジャーの球団にとっても、日本の優秀な選手を見つける機会になるかもしれません」
日本球界の発展を心から願うクロマティ氏。メジャーと日本で活躍した経験から生み出された斬新な改革案には、一考の余地があるかもしれない。
(Full-Count編集部)