1年目は2軍で148キロ&防御率0.61 準硬式野球出身の楽天左腕が秘める可能性

楽天・鶴田圭祐【写真提供:東北楽天ゴールデンイーグルス】
楽天・鶴田圭祐【写真提供:東北楽天ゴールデンイーグルス】

1年目の昨季は2軍戦で14試合に登板、防御率0.61

 硬式野球であるプロ野球。楽天の鶴田圭祐投手は、その中では珍しい「準硬式野球部」出身の左腕である。

 ご存知の通り、硬式野球で使用するのは、コルクの芯をゴムで包み、糸を巻き付け、牛皮で覆ったボールだ。一方準硬式野球で使用するボールは、硬球とほぼ同じ芯を天然ゴムで覆っているため、ちょうど軟式ボールと硬式ボールの中間のようなものだと言える。

 小学校、中学校と軟式野球でプレーした鶴田は、藤井学園寒川高校の硬式野球部に投手として入部。しかし制球難に苦しみ、外野手への転向を余儀なくされた。そんな鶴田に転機が訪れたのは、帝京大学で準硬式野球部に入部してからだった。

 チーム事情で投手に再転向すると、3年春にノーヒットノーランを達成し、硬式ボールより球速が出ないと言われる準硬式ボールで149キロをマーク。一躍ドラフト候補に躍り出る。そして2016年、楽天からドラフト6位指名され、大逆転でプロの世界に飛び込んだ。

 鶴田の持ち味は、何といってもその快速球だ。準硬式ボールで150キロに迫る直球は、硬式ボールで大台を突破できる可能性を秘めている。昨年はファームで14試合に登板すると、防御率0.61の好成績を叩き出し、球速は最速148キロを計測した。今年は投球回数をさらに増やして、課題の制球面の改善を図りたいところだ。

 鶴田が、最速150キロを超える左投手の仲間入りを果たすことができれば、楽天投手陣にとっては頼もしい戦力になる。何より、その活躍は準硬式野球でプレーする選手たちに大きな希望をもたらすだろう。異色の経歴を持つ若き左腕が、2年目の1軍マウンドで躍動できるかどうか、注目だ。

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