西武の未来照らす高卒野手がまた一人 際立った1年目、可能性秘める19歳
確かな選球眼と50メートル5秒8の快足
鈴木の持ち味は、前述した通りその確かな選球眼である。冷静にボールを選び、甘い球を確実に仕留める姿は、とても高卒1年目とは思えない。また、左方向への打撃も魅力だ。対応力に優れ、ボールをしっかりと引き付けて逆方向に強い打球を放つことができる。さらに、50メートル5秒8の快足を生かした堅実な外野守備で、チームを勢い付けるシーンも幾度となく見せてくれた。
そしてシーズンオフに入っても、鈴木は前進を続けている。秋季キャンプでは同じく左打ちの外野手である秋山翔吾に師事し、熱心にその姿を見つめた。11月に行われた「2017アジアウィンターベースボールリーグ」にも、ウエスタン・リーグ選抜として参加。「1軍の舞台へ」という同じ志を持った仲間とともに、着実に実戦経験を積んでいる。
近年、内野手として入団した金子侑司や外崎修汰などが外野手に挑戦し、埼玉西武の外野のポジション争いは激化する一方だ。今季から、鈴木もこの中に身を投じることになる。高卒2年目の選手にとっては厳しい競争になるかもしれないが、いずれはそこに食い込んでいけるだけのポテンシャルを持っていることは、昨年自らの力で示してくれた。目標は「応援される選手になる」こと。埼玉西武の環境下で育て上げられた数多の高卒野手の先輩たちに続き、スケールの大きな選手に成長していってほしいものだ。