球団記録の更新、「勝利の方程式」入り…ホークスの鉄腕・森が見据えるもの

目標は「信頼されるセットアッパーになること」

 2015年の阪神戦では7者連続三振を奪った。これは和田毅投手、大場翔太氏、現巨人の杉内俊哉投手に並ぶ球団タイ記録であるが、中継ぎがこの記録を打ち立てたのは球団史上初の快挙。しかも森がマウンドに上がったのは、6回1死一、三塁、2点ビハインドの局面からだった。当時まだ2年目の23歳だったことを思えば、その精神的な強さと奪三振能力の高さには、やはり目を見張るものがある。

 一方で制球も安定しているのが森の強みだ。投手の能力を示す数値のひとつにK/BBというものがあるが、これは奪三振数を与四球数で割り、「三振が多く四球が少ない=安定してアウトを取る」投手であることを示す。森の2017年のK/BBは5.00で、チーム内では嘉弥真新也投手、岩嵜を凌ぐ優秀な成績だった。

 奪三振能力と制球力を兼ね備える森は、通算100ホールドまで残り17。さらに今年50試合以上に登板し、5年連続の50試合以上登板を達成すれば、かの杉浦忠氏を抜き球団新記録となる。昨年末はハワイ優勝旅行に参加せず、ヤフオクドームで練習に励んだ。選手層の厚いチームであるだけに、実績だけでは自身の立場が保証されないということは、5年目にして身に染みて痛感しているようだ。

 12月26日の契約更改では、ライバルとして岩嵜の名を挙げた。目標は、「信頼されるセットアッパーになること」。昨年はあらゆる起用に応えてきたが、投げる以上はあくまでも守護神につなぐマウンド、「勝利の方程式」入りを目指すという。若き鉄腕は、その若さと輝かしい実績にあぐらをかくことなく、早くも新しいシーズン、ペナントレース、そして中継ぎのポジション争いに向けて闘志を燃やしている。

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