30本塁打以上よりも希少? 「三振以上の四球」を達成した選手たち

ソフトバンク・中村晃【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・中村晃【写真:藤浦一都】

昨年は打率10傑の中で「三振以上の四球」は0人

 出塁率という指標は、その名の通り打者が「塁に出る」割合を表す。ヒットメーカーの出塁率が高いのは当然だが、打率や本塁打数では突出していなくても、高出塁率を叩き出す選手はいる。彼らは四球などで単打と同じように出塁しているため、チームの勝利への貢献度は高い。だが、高出塁率を誇る選手の中でも「三振以上の四球」を選んだ選手は実は非常に少なく、貴重な存在である。

 例えば昨年、首位打者・最多安打の2冠に輝いた秋山翔吾選手(埼玉西武)は、72個の四球に対して97個の三振を記録した。同じく昨年リーグトップの出塁率.426をマークした柳田悠岐選手(福岡ソフトバンク)は、89個の四球に対して123個の三振。そのほかパ・リーグの打率10傑を見渡しても、どの選手も四球より三振が多い。そこでここでは、過去5年で規定打席に到達し、「三振以上の四球」を選んだ稀有な選手たちを紹介していく。

【2013年】
〇栗山巧(埼玉西武)99四球 96三振
 この年からキャプテンに就任し、名実ともにチームの中心となった栗山は、2年ぶりに全試合に出場。自己最多タイの12本塁打をマークし、キャリアハイの99四球を選んだ。選球眼が良い選手として栗山選手を挙げる人は少なくないだろうが、そのイメージを決定的に印象付けるシーズンだったと言えるだろう。

【2014年】
〇角中勝也(千葉ロッテ)76四球 66三振
 2012年に首位打者を獲得し、この前年には侍ジャパンに選出されてWBCに出場するなど、「独立の星」として輝き続けている角中。2012年からこの2014年にかけて打率は徐々に下がっている(.312→.288→.277)ものの、選んだ四球の数は3年で2倍に増えており(38→50→76)、リーグを代表する「いやらしい打者」に成長を遂げている。

【2015年】
〇近藤健介(北海道日本ハム)59四球 59三振
〇中村晃(福岡ソフトバンク)66四球 47三振
 2017年、「幻の4割打者」として話題になった近藤。唯一規定打席到達を果たしたこの年は、四球数と三振数が全く同じだった。昨年は打率ばかりが注目を浴びたが、出塁率.567という恐るべき数字こそ近藤の真骨頂だ。また、脇をパカパカと動かす打撃フォームが特徴的な中村晃は、この年3年連続の打率3割を達成している。

過去5年で最多6選手が「三振以上の四球」を選んだ2016年

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