「紫外線アレルギー」を克服しプロの世界へ オリ育成ルーキーが抱く使命感
高校1年で「紫外線アレルギー」を発症、「野球を辞めよう」と思ったことも
困難を克服し支配下登録を目指す選手がいる。昨年のドラフトでオリックスから育成1位指名を受け入団した稲富宏樹捕手。10日から大阪・舞洲で始まった新人合同自主トレでは同期入団の選手とのレベルの違いを感じつつも「楽しくやれています。まずは支配下登録を目指して頑張っていきたい」と目を輝かせていた。
兵庫・三田松聖高では3年時に主将を務め、自慢の強肩を武器にチームを牽引した。178センチ、88キロの右投左打。二塁送球は1.8秒を記録し、走っても50メートルを6秒1で駆け抜ける。甲子園の出場は叶わなかったが、各球団のスカウトから注目を集め、念願のプロ入りとなった。それでも、ここに至るまでは順風満帆な野球人生ではなかった。
高校1年の時、紫外線を浴びると皮膚や目などにかゆみ、湿疹などの症状が出てしまう「紫外線アレルギー」を発症。グラウンドで汗を流し、練習を行う高校球児にとって致命的だった。ナインたちが甲子園を目指す中、思うように練習ができない日々が続き「野球を辞めよう」と思ったこともあったという。それでも、効果があるといわれる様々な治療法を続けることで病気を克服。最終学年となった昨年夏の県大会では5回戦で選抜ベスト4の報徳学園に2-8で敗れたが、悔いなく全力でプレーすることができた。