「もう1頂!」―ホークスのスローガンは今年も“見えない戦力”となるのか
広島「℃℃℃」、ロッテ「マクレ」…斬新フレーズに込められた思いとは
ソフトバンクは13日、2018年シーズンのスローガンが「もう1頂(いっちょ)!」に決まったと発表した。ファンとの一体感を生み出し、チームを日本一へと導いた「1ダホー!」のように“見えない戦力”となりうるのだろうか。
今年のスローガンは「もう1頂(いっちょ)!」。工藤公康監督は発表会見で「私の独断で決めました」と胸を張った。そして「連覇を目指すのではなく、挑戦者としてもう一度足元から1つ1つを積み重ねて、日本一という頂点を目指す強い気持ちを込めました」と語った。
工藤監督が「連覇を目指すのではない」と強調した裏には、これまでの“失敗”がある。2012年の「ブイブイ」、2016年の「熱男2016」は前年の日本一を受けて連覇を意識して決められたスローガンだったが、ともにリーグ優勝を逃す結果となった。その反省を活かしたのか「みんなが1つになる強い数字」(工藤監督談)である「1」を残しながらも、スローガンロゴの「1」をより力強いデザインに進化させて、新たな気持ちで挑む姿勢を強調している。
ソフトバンクは2010年の「今年はやらんといかんばい!」以降、「ダ」「ブイブイ」「超!」「俺がやる。」「熱男」「1ダホー!」と斬新なスローガンを継承しているが、斬新さだけが売りではなく、いかにファンに浸透させるかを大事にしている。その高い浸透度から生まれるチームとファンの一体感が“見えない戦力”となり、常勝軍団作りにつながってきた。
工藤監督が「『今日ももう1頂勝つぞ!』とか、『もう1頂ホームラン!』とか、勢いの出る使い方をしてほしい」と語るように、ファンにとっては親しみやすく、口に出しやすいスローガンと言えるだろう。就任以来「熱男」と「1ダホー!」で2度の日本一を経験した工藤監督は、スローガンが生み出す力を誰よりも理解している。そんな指揮官が「独断で決めた」というスローガンは、今年どのような力をチームに与えていくのだろうか。