“不良債権”処理目的のトレード直後に戦力外のゴンザレス、メッツと契約へ
昨年末に成立した前代未聞のトレード劇は大きな波紋も…
メッツがブレーブスから戦力外となったエイドリアン・ゴンザレス内野手と契約することを決めたと、米メディアが報じた。ゴンザレスは昨年12月、トレード拒否権を放棄してドジャースからブレーブスへの移籍を受け入れ、直後に戦力外に。大型契約を結びながら故障などに苦しむ“不良債権”の処理が主な目的となったトレード劇に波紋が広がっていた。
13日(日本時間14日)、米複数メディアがメッツがゴンザレスの獲得を真剣に検討しているとレポート。そして、米全国紙「USAトゥデイ」の名物記者ボブ・ナイチンゲール氏が「メッツは身体検査を残し、一塁手のエイドリアン・ゴンザレスと契約することを決めた」と伝えた。
昨年12月16日(日本時間17日)、ドジャースはブレーブスからマット・ケンプ外野手を獲得し、代わりに一塁手ゴンザレス、左腕スコット・カズミアー、右腕ブランドン・マッカーシー、内野手チャーリー・カルバーソンと金銭を送るトレードが成立したことを発表した。
ただ、これは純粋な戦力補強だけではなく、両球団で“不良債権“状態となっていた大物選手のケンプ、ゴンザレスを“処理“することも目的だった。ゴンザレスは移籍先のブレーブスからすぐに戦力外通告を受け、ドジャースもケンプを放出するか解雇する方針だと米メディアは当時レポート。ゴンザレスは全球団に対するトレード拒否権を持っていたが、ブレーブスで戦力外となることを条件に受け入れたという。自身が活躍できる新天地を探すための決断で、5年間在籍したドジャースへの感謝の気持ちもインスタグラムで明かしていた。
ただ、このトレードは大きな波紋を呼んだ。4選手を放出したドジャースには、2年総額4300万ドル(約47億7400万円)の契約を残すケンプが加わったものの、今季年俸総額がぜいたく税の対象となる1億9700万ドル(約219億円)を下回る見込み。これまで5年連続でぜいたく税の対象となり、毎年3000万ドル(約33億3000万円)をペナルティーとして支払ってきたが、課税対象から1度外れれば、2019年以降に再びぜいたく税の対象となった場合でも課税の割合が50%から20%に下がることになる。そのため、今季年俸2150万ドル(約23億3000万円)のゴンザレス放出に大きな意味があった。
前代未聞の取り引きとして米メディアも驚きをもって伝え、その手法に少なからず批判もあった年末の大型トレード劇。今季年俸はブレーブスから支払われるため、メッツは最低保証額での契約が可能で、ゴンザレスも移籍先を見つけるという形に収まったが…。また同じようなことが起これば、再び波紋が広がることは間違いなさそうだ。
(Full-Count編集部)