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阪神・淡路大震災から23年、今や現役はイチローのみ 「がんばろうKOBE」の記憶

1996年9月23日、グリーンスタジアム神戸。オリックス・ブルーウェーブ対日本ハム戦。同点で迎えた10回裏、イチロー外野手のサヨナラ打で、ブルーウェーブは2年連続のリーグ優勝を決めた。そのまま、日本一の頂まで駆け上がるあの年のことを振り返る上では、その前年のリーグ優勝が持つ特別な意味を、思い出さないわけにはいかないだろう。

もう23年か、まだ23年か

 ブルーサンダー打線を擁し、夏の時点ですでにペナントレース独走状態。驚異的なスピードでマジックを点灯させると、震災から245日が経過した9月19日、11年ぶりとなるパ・リーグ優勝を果たした。若きイチローは、首位打者・打点王・盗塁王・最多安打・最高出塁率の打撃5冠を獲得。惜しくも日本一は逃したが、「がんばろうKOBE」のワッペンを付けて戦った彼らの姿は、神戸復興のシンボルとして、地域密着型のプロスポーツチームの理想的な在り方のひとつとして、日本プロ野球史と人々の胸に確かに深く刻まれた。

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 本拠地を置く地域が苦しんでいるとき、プロ野球には何ができるか。どれだけの力を持てるのか。23年前、ブルーウェーブが示したのは、そのひとつの答えだった。「震災を振り返り、新しい世代に語り継ぐこと」、「傷ついた経験を通して、未来への教訓とすること」。それは、青波軍団の誇りを受け継ぐオリックスの使命でもある。

 現在、青波戦士として現役を続けているのはイチローのみ。大阪近鉄バファローズとの合併による「オリックス・バファローズ」の誕生に伴って本拠地は大阪に移り、震災を経験した選手寮も、多くのファンに惜しまれながら舞洲に移転。田口壮2軍監督をはじめ、1995年の優勝を知る勇士たちがコーチ陣に名を連ねる一方で、昨年のドラフトで指名した12人のうち9人が、震災の後に生まれている。

 あの年から、オリックス最後の優勝から、20年以上の月日が経過した。良きにつけ悪しきにつけ、否が応でも変化は訪れる。近畿圏の子どもたちは、あの日の惨状から語り継ぐべき事実を学び、あるいはその年、「がんばろうKOBE」を合言葉に戦った人たちのことを耳にして、それぞれに思いを馳せるのだろう。

 震災は、遠い過去の歴史ではない。もう23年か、まだ23年か。様々な心境で迎える1月17日。日本人として、野球ファンのひとりとして。この日はせめてわずかな間だけでも、あの震災の記憶に触れる日としてほしい。

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