2年で66億円超も…ダルビッシュ獲りへ、名物記者がヤ軍に“ウルトラC”提案

贅沢税の対象となる選手総年俸は年平均で計算

「私の考えはダルビッシュに6年1億2000万ドルの契約をするというものだ。最初の2シーズンでは各年3000万ドル(約33億2300万円)、次の2シーズンは2000万ドル、そして最後の2シーズンは1000万ドル(約11億1000万円)で、2年目と4年目の後、ダルビッシュはオプトアウトの権利を有する」

 最初の2年間は総額6000万ドル(約66億4560万円)で、このシーズンが終わった時点で、ダルビッシュは契約破棄してFAになることも可能となる。ただ、その決断を下さなかった場合には、さらに次の2年間は総額4000万ドル(約44億3000万円)の契約となる。そして、ここで再び契約破棄が可能に。行使しなければ、2年総額2000万ドルで残留となる。

 当然、2年間でしっかり成績を残せば、ダルビッシュは残りの4年総額6000万ドルよりもいい契約を求めて、FAとなる可能性が高い。何よりも、メジャー先発投手にとってトップ評価とも言える1年平均3000万ドルという金額は大きな魅力で、オプトアウトも選手にとってプラスとなる。

 一方で、ヤンキースも2年総額4000万ドルより好条件で再契約することは可能。シーズン終了までに契約延長交渉を行うこともできる。逆に、もしダルビッシュが結果を残せなければ、“減額”でチーム内に残すことができる。そして、同じことが2年後にも繰り返されることになる。年齢を重ねるとともにパフォーマンスが落ちるということも考慮すれば、6年間という長期契約であっても、チームとしては“不良債権化”も避けられるというわけだ。

 さらに、贅沢税を考慮しても理に適った契約となる。贅沢税の対象となる選手総年俸は、各選手のその年の年俸ではなく、年俸総額の年平均で計算される。ヤンキースとしては、なんとしても総年俸を抑えたいのは今季のみ。実際にダルビッシュには3000万ドルを支払う一方で、贅沢税の対象となる総年俸の計算では2000万ドルとして換算される。1000万ドルが“浮く”というわけだ。

 贅沢税回避へ、1ドルでも切り詰めたいヤンキースとしては、この1000万ドルの“差額”は大きい。シャーマン記者も「ダルビッシュには1億2000万ドルが約束されている。もし彼が健康で良い投球をしたら、2年目もしくは4年目の後にオプトアウトすることができる。この構成においてヤンキースのカギとなるのは税金(贅沢税)対策だ。1億2000万ドルの平均価値は6シーズンにわたって分散される」と指摘。この契約のメリットを強調している。

 まさに“ウルトラC”ともいえる提案。アストロズとの“争奪戦”に敗れてコールを取り逃がし、先発投手の補強を引き続き模索しているヤンキースは、実際にどのような手を打ってくるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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