FA市場が“歴史的停滞”の中…早々にヤンキース残留決断の田中将大は「勝者」

FAを選択すれば「3番手」の評価「選択肢を求め続けることになっていただろう」

 レギュラーシーズンは不安定な内容だったものの、ポストシーズンでは圧巻の投球を見せたことで、評価は“再上昇”。3年73億円という残りの契約を全うするか、5年総額109億円など総額での金額上乗せを目指してFAとなるか――。シーズン終了直後は、田中がより大きな契約を求めてFAを選択する可能性が高いと見られていたが、「ヤンキース愛」などを理由に残留を決断した。

 記事では、田中がFAとなった場合、先発投手としてはダルビッシュ、アリエッタに続いて「FA戦線の3番手」になっていたと分析。その場合、ヤンキースは他の選択肢にシフトし、トレード市場での動きを活発化させていただろうと指摘している。結果的にアストロズに移籍したゲリット・コール(前パイレーツ)の争奪戦にも、より力を入れていた可能性が高いというのだ。

 そうなれば、田中がヤンキースと再契約に至った可能性は低く、ダルビッシュやアリエッタのように、現在も未所属のままだったかもしれない。記事では、結果的に当初の3年総額6700万ドルよりも低い額でヤンキースに戻ることすら考えられたとの見解を示している。

「タナカは選択肢を求め続けることになっていただろう。そして、ダルビッシュやアリエッタを獲得し損ねたチームがタナカに狙いを変えることになりえた。彼にとってのベストシナリオは、3年6000万ドル(約65億2000万円)に迫る契約でヤンキースに戻ってくることだったのかもしれない。タナカがもしオプトアウトするとなった後に、キャッシュマンが彼との再会を検討していたかなんて、誰にもわからなかった」

「オプトアウト」を行使せずに残留という決断は、まさにファインプレー。ヤンキースでワールドシリーズを制覇したいという田中の純粋な気持ちが、好結果をもたらしたとも言える。

 記事は「FA市場に加わらないことで、マサヒロ・タナカはスローな動きを見せる今オフシーズンにおける大きな勝者であるように思える」と結論づけている。歴史あるピンストライプのユニホームで悲願の世界一へ――。田中は今季も明確な目標を持って、スプリングトレーニングへと入っていく。

(Full-Count編集部)

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