近年希少なフランチャイズプレーヤー、殿堂入りの名遊撃手トランメルの功績
日本でMLB放送では「期待の若手遊撃手、アラン・トラメル」
当初は打者としては2番または9番が多く、つなぐ打撃が持ち場、犠打もうまかったが、次第に長打力を身に着け、1987年には28本塁打105打点、打率.343(3位)をマーク。MVP投票ではトロント・ブルージェイズのジョージ・ベルに21ポイント差で敗れた。
以後もリーグを代表する遊撃手として活躍。打撃タイトルはなかったが、ゴールドグラブ賞4回、シルバースラッガー賞3回、オールスター選出6回を数える。
1984年のサンディエゴ・パドレスとのワールドシリーズでは20打数9安打2本塁打6打点の活躍でMVPに選ばれている。
MLB20年で2293試合8288打数2365安打185本塁打1003打点236盗塁、打率.285。引退後はコーチを経て2003年から3年間、デトロイト・タイガースの監督を務める。2014年はシーズン途中からアリゾナ・ダイヤモンドバックスの代行監督も務めた。
引退から5年後の2002年に殿堂入り候補にエントリーされる。毎年得票率を上げたが、期限までに選出されず全米野球記者協会の候補からは外れる。最高得票率は最終年の40.9%だった。しかし、2018年、ベテランズ委員会では16人の委員のうち13票を獲得。合格ラインの12票をクリアして殿堂入りが決まった。
背番号「3」はタイガースの永久欠番になった。現在のMLBでは極めて少なくなったフランチャイズプレイヤー。2017年のWBCでは、アメリカ代表チームのコーチとして姿を見せた。
デビュー時期は日本でMLB放送が始まった時期でもあり「期待の若手遊撃手、アラン・トラメル(当時の日本での呼び名)」としてたびたび紹介された。
(広尾晃 / Koh Hiroo)