CSでもチケット代変わらず 「感謝価格」を設定した西武担当者の思い

嬉しかった「ファンとの一体感」も…「改めて適正な価格を模索します」

 シーズン中に熱心に応援してきたのに、大事な試合に「チケットが普段より高くて行きづらい」というファンがいることが残念だった。吉田さんは、その時の思いが今も強く胸に残っているという。そのため、クライマックスシリーズでは応援してくれているファンが来やすい環境、チケットを買いやすい環境を用意。レギュラーシーズンと変わらないチケット価格にしただけでなく、FC先々行抽選、FCWeb先行販売、FC先行販売と、ファンクラブ会員に3回の先行販売の機会を設けた。

 4年ぶりのクライマックスシリーズは、快進撃を見せた炎獅子ユニフォームを着用したファンでスタンドが埋まり、メットライフドームが赤く染まった。

「ファンとの一体感が感じられて、嬉しかったです。ただ、価格をシーズンと同様に設定したことで、本当にチケットが欲しい人に行き届かなかったのではないかと、反省もしています。改めて適正な価格を模索します」

 学生インターンとして働きながら、さまざまな思いを抱いた2008年の日本一。その後、球団職員となり、ファンに喜んでもらうことを考え続けてきた吉田さんは、その2008年以来となる日本一を、たくさんのファンと共に喜び合える日を楽しみにしている。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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