中日・松坂、初ブルペン32球で湧いた復活への期待 鍵握るフォームの“変化”

ブルペンで力強くボールを投げる中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】
ブルペンで力強くボールを投げる中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

森監督も評価、「満足いくボールは投げたと思うよ」

 練習を終えたところの松坂本人に、その動きについてたずねてみたところ、「出来るだけ(横振りや反動を使う動きは)無くしたいですね。去年はいい状態になりつつというのはありましたけど、上体を振ったり、首を振ったりというのはあった。それはまだ残っていますけど、去年よりはその動きは抑えられている」と返ってきた。形としては、着実に、間違いなく前進している。そして、一番懸念されていた右肩の不安はかなり解消され、イメージしているフォームへのブラッシュアップを続けていることを感じさせた。

 投球を見守っていた森繁和監督はこの日のボールに満足感を示しつつ、投球を終えたばかりの松坂に声をかけた。その時の内容を「痛みなく、楽をしたいというところが何球か見えた。それはアイツも自分で分かっていたと思うけど、痛みが出ない方法、楽な方法、そういうところが出てきた時のボールはそういうボールだなと。最後に投げた1球と、その前の1球の違いはそこじゃないかと言ったら、そうなんです、分かりましたか、と。そういうところは出てくると、ボールは素直」と明かし、「多少なりとも苦しい投げ方、キツイ投げ方、我慢するところは我慢しながら投げていかないとボールには伝わらない。それは本人も分かっていると思う。その中でアイツは今日満足いくボールは投げたと思うよ」と評していた。

 まだまだキャンプは始まったばかり。まだキャッチャーも座らせていないし、そこからバッティングピッチャー、実戦登板など踏むべき段階は数多い。キャンプ中に期待を抱かせたのは、過去3年間もそう。どうこう論じるのは時期尚早で、全ては結果次第だ。まだ信じることは出来ない。ただ、この日、力強くボールを投げる右腕の姿に、少しばかり復活への期待が湧いてきた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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