マーリンズ田澤が大谷の“二刀流”実現を応援「間違いなく挑戦した方がいい」
契約社会のメジャーで“二刀流”実現はスムーズに進むのか…
メジャーでは、選手が結ぶ契約の中に「インセンティブ」と呼ばれる出来高が含まれることが多い。その種類はさまざまで、野手であれば打席数や出場試合数、投手であれば投球回数や登板試合数などが対象になる。例えば、ドジャース前田健太投手の場合、15試合に先発すれば100万ドル(約1億800万円)、投球回が90イニングを超えると10イニング増えるごとに25万ドル(約2700万円)が発生するというインセンティブがついている。
大谷が二刀流に挑戦した場合、先発が6人ローテになれば必然的に1人あたりの先発登板試合数や登板イニング数は減る。同時に、野手出場をするとなれば、出場試合数や打席数に影響が出る。その結果として、インセンティブとして手にできたかもしれない収入が手に入らないケースが生じる可能性がある。エンゼルスでは、投手面では先発6人ローテを試し、野手面では昨季主にDHだったプホルスが一塁での出場を増やす見込みだが、田澤は「周りの人がどういう反応を見せるのかな」と思いやる。
だが、新しいことにチャレンジする意義とやりがいの大きさは何事にも代え難い。
「おそらくエンゼルスは、そういったことも全て踏まえて二刀流挑戦をサポートするって言ってくれているんだと思います。自分の力を試したり、可能性を試すのはいいこと。チームがしっかりサポートしてくれて、チャンスを与えてくれるのであれば、間違いなく挑戦した方がいいと思います」
たとえ所属チームは違っても、新たな道を切り拓いた先輩と同じ代理人を持つことは、大谷にとって幸いとなるかもしれない。メジャーでプレーする楽しさも苦しさも、そして応援の声も批判の声も知る田澤は、必要とあらばいつでも自分の経験を共有してくれるだろう。
(佐藤直子 / Naoko Sato)