“松坂効果”は打にも現れるか? リーグワーストだった中日投手陣の打撃

中日の投手打撃成績はリーグワースト打率.062

 というのも、中日投手陣の打撃成績はセ・リーグ6球団で最も低い。チームの投手全体で242打数15安打、打率.062。これはセ・リーグ6球団でワースト。最下位のヤクルトで222打数21安打で打率.095、これにリーグ優勝した広島(.097)、4位の巨人(.104)、2位の阪神(.111)となり、トップは258打数33安打、打率.128のDeNAがリーグトップだ。投手が記録した得点は中日が7、DeNAは15。打点も中日は12だが、DeNAは17(3本塁打のウィーランドが1人で12打点)だ。

 昨季10打席以上に立った投手の中で、大野雄大だけでなく、吉見一起、若松駿太が打率.000。小笠原慎之介が33打数1安打で打率.030、又吉克樹が20打数1安打で打率.050と軒並み投手の中でも低打率だった。チームトップは昨季限りで退団したバルデスの44打数5安打、打率.114。セ6球団でのトップはDeNAのウィーランドで48打数11安打、打率.229。これに、ヤクルトの原樹理(33打数7安打、.212)、巨人の菅野智之(54打数9安打、.167)、阪神の秋山拓巳(48打数8安打、.167)、DeNAの石田健大(36打数6安打、.167)が続く。

 一方で、松坂は投手が打席に立たないパ・リーグの西武、ソフトバンクに在籍。交流戦での成績しかないが、20打数5安打で打率.250をマークしており、2006年の阪神戦では広い甲子園の左中間最深部に届く本塁打を1本放っている。また、メジャーでも37打数7安打、打率.189。日米通じて、57打数12安打、打率.211の成績を残しているのだ。

 中日とDeNAの打率差は6分6厘。この差は間違いなく大きい。テストを受けた際には、森監督から「バッティングを教えてやってくれ」とも言われていた松坂。指揮官の言葉通りに、投手陣がそれぞれ1本でも、2本でも、多く安打を放ち、塁に出られれば、得点力アップに繋がる。投げることが仕事の投手であるが、セ・リーグでは「9番目の打者」となる。松坂の加入により、投手陣のバッティングへの意識、さらには数字が変わる。こんな効果も、期待されているのだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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