「人生は挑戦の連続」―青木、メジャーで掴んだ自信とヤクルト復帰の理由
メジャーで取り戻した「自信」
メジャーではハッスルプレーで愛される存在だった。正外野手として定着できた期間は多くなかったかもしれないが、打席ではファウルで粘りながら球数を稼ぎ、出塁すれば投手の気を逸らせるような動きを見せ、チームの勝利最優先に尽くした。意外にも「日本にいた最後の2、3年は自分に自信が持てない中でプレーしていた」という青木は、家族に支えられながら「野球」ではなく「ベースボール」をプレーしながら、自信を取り戻した。
「自分を変えてくれましたね。日本にいた最後の2、3年は自分に自信が持てない中でプレーしていた。メジャーでやってみたいという気持ちを持ってプレーしてみて、言葉もアメリカの常識も分からない中で、普段の生活から試練だった。苦しい中でもいつでも前向きに、楽しさを持ってやりましたけど。6年間やって相当自信になりましたね」
そう話す青木の横で、頼もしそうにうなずく小川監督の表情が印象的だった。
「人生はチャレンジの連続。また日本でチャレンジすることを大切にしている」という36歳外野手は、アメリカで親しまれた「ノリ青木」から「青木宣親」に戻る。が、今年から神宮球場に登場するのは、7年前にはなかった大きな自信と経験を積んだ「新生・青木宣親」だ。球団史上最悪となる96敗を喫した昨季からのチーム復活に向けて全力を注ぐ。
「自分はポスティングで、どちらかといえば去って行った方。そんな自分に対して、温かく迎えてくれるこの球団を愛しています。今はヤクルトを優勝させることしか考えていないですね」
山田哲人から譲り受けた背番号23のついたユニホームを着て写真撮影に臨むと「新人みたい(笑)」とつぶやき、周囲を笑わせた。チームの変革が期待されるヤクルトに誕生した“超大型新人”。何かをやってくれるに違いない。
(佐藤直子 / Naoko Sato)