日本で成功の雰囲気漂うメジャー51勝右腕 中日新助っ人ジーに期待するワケ
日本スタイルへ率先して適応する姿勢、「長期的に見たらプラス」
メジャーでの8年間でのジーの成績を見ると、1試合27個のアウトを取る間に、いくつの四球を与えるかを示す指標であるBB/9は、13勝を挙げた2011年までは4.0ほどだったが、2012年以降は2.5前後に。12勝を挙げた2013年は2.1、昨季はレンジャーズ、ツインズの成績を合わせて2.7だった。
日本とメジャーでは一概に比較することは出来ないのだが、単純にBB/9が2.5前後となると、昨季のセ・リーグ規定投球回到達者では5位前後になる。キャンプを見る限りでは日本のマウンドやボールに対しての適応に苦労している様子もなく、ジーの武器であるコントロールは、十分に計算出来るものだろう。
さらに言えば、メジャーでの実績がありながらも、日本のスタイルへ進んで適応しようとする姿勢がある。中日のキャンプは、投手陣のランニングメニューがかなり多いと言われている。日によって違いこそあれど、基本的にはジーも、そしてもう1人の新助っ人ガルシアもそのメニューを課される。
自らがアメリカでやってきたスタイルを貫こうとするあまり、そういった日本のメニューを受け入れられない選手もいる中で、ジーはそのランニングメニューをきっちり受け入れ、こなし、「プラス面の方があると思うね。正直に言えば、確かに疲れはあるし、体が硬いなと思うけども、長期的に見たらプラスになるだろうね」と話す。他の投手が個々で行っているメニューにも興味を示し、チャレンジする好奇心、探究心にも溢れているという。
2桁勝利は最低限で、最多勝が狙える活躍すらも期待したくなるジー。右腕が額面通りの活躍を見せてくれれば、中日の6年ぶりのAクラスも近づいてくるはず。怖いのは、怪我による離脱だけだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)