「主力脅かす存在いない」平成唯一の3冠王・松中氏の見るホークスの課題

キャンプで目立つのは若手投手ばかり、松中氏「目につく選手がいない」

　今春の宮崎キャンプ。投手陣には若手のアピールが目立つものの、野手の新戦力で目を見張るようなアピールが見えない。そして、それはかつてホークスでプレーし、2004年に3冠王に輝いた松中信彦氏も感じていた。現在は解説者などを務める松中氏はホークスのキャンプを視察し、「若い選手が育ってない。目につくような選手もいなかった。主力を脅かす存在は誰もいない。そこだけが気がかり」と指摘。愛着ある古巣の現状に、危機感を覚えていた。

　ホークスの主力は球界を代表する選手ばかり。なおかつ、その選手たちの野球に取り組む姿勢は真剣で、練習量の多さも半端ではない。その主力選手たちを超えようと思うと、それ以上の姿勢と練習量が必要となるのだが、果たしてそれほどの選手がいるだろうか。松中氏はこうも言う。

「ホークスは主力が強い。控えも、例えば川島慶三のように見ていると凄く意識が高い。だからこそ、もっと真剣に育てていかないと、今のままじゃ育ってこない。内川とか松田、柳田とかがもっと若い選手に練習の仕方だとか、高い意識を持つこととか、そういうものを教えていかなきゃいけないと思う」

　その中で、松中氏は楽天からトレードで移籍した西田哲朗内野手の名前を出し「西田くらいかな、面白いと思う存在は。タイミングの取り方がいいね。ただショートには今宮がいるし、二塁も明石、本多、高田、右打者でも川島がいるから競争は激しいね」。西田は三塁でもプレーでき“ポスト松田”にはなれる存在だが、あくまでも補強による選手だ。自前で野手が育たぬ現状は、常勝軍団と言われるホークスにとって重要な課題の1つだろう。

（福谷佑介 / Yusuke Fukutani）