スポーツビジネスの貴重な事例に? 楽天、球団4度目の黒字達成の舞台裏

「ファンに愛されるために」を全職員で考え続けた成果

 楽天はここ数年、毎年のようにファンを楽しませるための攻めの投資を行い、それを売上につなげていくサイクルを模索。プロ野球のフランチャイズとしてはコンパクトな部類に入る仙台という都市でスポーツビジネスが“回せる”ということを証明して見せた。これは日本のスポーツビジネスの可能性を広げる貴重な事例となるに違いない。

 なぜこうした成果を挙げられたのか。球団によれば、何か特別な経営施策が功を奏したわけではないという。もちろん宮城県のバックアップによって、球場使用料を抑えるとともに本拠地球場の営業権を取得し、サービスの提供での高い自由度を手にできているアドバンテージは計り知れない。ただ基本的には、いかにしてファンに愛される球団をつくり、チケットを買ってもらうかを全職員で考え続けてきたことが成果を導いたというのが、実際のところであるようだ。

 職員はいつでも観客動員やチケットの販売状況に注意を払っており、前売りチケットの売れ行きが悪いカードがあれば、立場を問わずチケットを売るために駆け回る。選手のサポートを主な仕事とするチームスタッフであっても、役職者であっても、分け隔てなくチケット販売に参加するカルチャーが生まれているという。

「いかにファンに球場に足を運んでもらうか」という命題に対する責任を全職員が意識し、それを果たすためのアクションを続けていく。球団職員にとっての“原点”といってもよい努力が、今回の黒字達成の裏側にはあったようだ。

(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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