ロッテ福浦&角中が語る“今”と大物新人・安田への期待

ロッテ・福浦和也(左)、角中勝也【写真:(C)PLM】
ロッテ・福浦和也(左)、角中勝也【写真:(C)PLM】

ロッテ「金字塔」×「異能」×「大物新人」の化学変化は起こるか

 千葉ロッテはその歴史で12球団最多となる12人のリーディングヒッターを輩出し、パ・リーグ最多の通算18度も首位打者のタイトルを獲得している。山内和弘氏、榎本喜八氏、有藤道世氏、レロン・リー氏、落合博満氏……。味わい深い打者の系譜に彩られた球団史にあって、千葉ロッテは現在もその流れを汲む。

「名球会入りを視界に捉えたベテラン」
「バッティングの究極を追い求める職人」
「高校野球界を沸かせたゴールデンルーキー」

 三者三様、それぞれ立ち位置もプレースタイルも違うが、昨季は最下位に沈んだチームの行く先を、どのように照らし出すだろうか。今季の千葉ロッテを語る上で、欠かせない重要なトピックだ。

「意識しないと言えば嘘になりますけど。ある程度は意識をしつつ、試合に出て打席に立たなければいけません。いかに試合に出られるように準備をして、結果を残すか。甘い世界ではありませんから」

 プロ25年目の言葉に実感がこもる。福浦和也内野手は、今年の始動とバットを振る時期を早めた。通算2000安打到達の瞬間は、千葉ロッテファンのみならず、多くのプロ野球ファンに待ち望まれている。

「ここ数年、マイペースでやらせてもらっていましたけど、今年は春季キャンプ初日からしっかり作ってくるように言われていました。ここ3、4年はなかったことなので、ガラッと変わりましたね」

 近年は、勝負所での代打の切り札の役割が定着した。徐々に、だが着実に、球団3人目の大台へと近づいている。思えば、プロ生活のスタートは順風満帆ではなかった。1993年ドラフト7位で指名を受けてから1年を待たず、こだわりのあった投手の道の断念を余儀なくされている。打者転向後は、あらゆる好打者のバッティングフォームを真似ることで、実力勝負の世界に活路を見出した。

「イチローさん、稲葉(篤紀)さん、松中(信彦)さん、小笠原(道大)さん。右打者に話を聞くこともあって、いろいろと参考にさせてもらいました。真似してすぐにできるものではないので、そこは自分なりに試行錯誤して、いいと思うものは取り入れるようにしていました」

 そうして、スコアボードにHのランプを灯し続けた。実績を重ねれば、対戦相手は打たせまいと研究してくる。ピッチングも、その時代によって流行り廃りがある。だが、念頭に置くボールは、いつでも「真っすぐ」。プロ1本目のヒットを放った時から、今も変わらない。

「年齢を重ねたことで、速い球は打てないと思われています。速球をいかに打てるようにするかというのが課題ですね」

 変わったことと、変わらなかったこと。持てる技術を駆使して、数多の安打を刻み込んだ。記念碑は完成を近くに控える。しかしながら、最後の38本も、あくまで目の前の試合に全力を尽くした結果の産物だ。

「与えられたところで結果を残せるように頑張って、勝利に貢献できるヒットが打てたら最高と思います」

異彩を放つ職人が見る頂、「正解はある」

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