苦難を乗り越えた2人の“大商大右腕” パを代表するリリーバーに

オリックス・近藤のルーキーイヤーはわずか1試合の登板に

 福山が指名されてから5年後の2015年、プロ野球選手としてのキャリアを歩み出したのが、オリックス・近藤大亮投手だ。大商大では福山の3つ下の世代にあたり、社会人・パナソニックを経ての入団となった。そのキャリアもまた先輩同様に挫折から始まる。

 ルーキーイヤーの2016年、近藤は開幕第2戦の先発マウンドを託される。3回までに1失点とまずまずの内容で、味方の援護に恵まれていたため、プロ初勝利を早くも手中にしたかと思われた。しかし、右肩に違和感を覚えて途中降板、直後にチームも逆転を許す悔しいデビュー戦となってしまう。

 さらに、当初は重症とみられていなかった右肩の炎症が長引き、シーズンが幕を閉じるまでに1軍に帰ってくることはできず。この年の1軍登板はその1試合のみに終わった。

 だがリベンジを期した昨季、近藤は救援投手として1軍の枠を勝ち取ると、キレのある直球を武器に好投を重ねる。最終的に55試合に登板して25ホールドを記録。イニング数(55回2/3)をはるかに上回る71三振を奪い、オフには侍ジャパンにも選出された。平野佳寿投手が米・ダイヤモンドバックスへと移籍し、北海道日本ハムから増井浩俊投手が加入するなど、オリックスブルペンの陣容がガラッと変わる今季。2年目のジンクスならぬ「3年目のジンクス」を振り払い、今季も救援陣の中心となれるか、注目だ。

 福山は2年目にして戦力外を経験し、近藤は1年目から故障に悩まされた。それでも、それぞれの苦難を乗り越えて、味わい深い活躍を見せる「大商大リリーバー」から、今季も目が離せない。

(「パ・リーグ インサイト」成田康史)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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