巨人から栃木へ、村田修一の背中を押した言葉「息子たちに見てもらいたい」

同級生も後押し、「僕だけでは決断できないことはいっぱいある」

 また、友人たちにも後押しされたという。「地元に帰って同級生と一緒に酒を交わす機会もあった。高校の同級生、大学の同級生といろいろ話す中、一緒に野球を続けてきて、このまま辞めるのは寂しいとみんなに言われた。僕だけでは決断できないことはいっぱいある。周りの人に支えられてここまできた」。 

 栃木・小山は大学の恩師の出身地であり、妻の実家もある。「プロに入ってから応援してくれた栃木のお父さん、お母さんに近くで見せられる。これほどいいことはない」と村田。引退を考えたかとの問いかけには「チャレンジすることは間違いではない。色んなチャレンジの仕方がある。話がない時点で辞めて、次の人生のチャレンジをしてもよかったけど、野球をしたいという思いがあった。地域貢献活動など、いろいろ加味して、ゴールデンブレーブスと意見が一致した。辞めるのはいつでもできる。続ける場所をいただいて感謝している」と力を込め、契約へと至った球団に感謝した。 

 将来的にはNPBへの復帰も見据えた再出発。「今年の期限。7月31日。それまでに復帰があるのか、ないのか。僕が判断する、しないではない。お声がかかれば行く。その先のことは考えていない。まずはブレーブスさんのために野球をする」。再び「25」を背負うことになった37歳は、チームのために、栃木のために、家族のために、支えてくれる人々のために、そしてNPBへの切符をつかむために、懸命にバットを振り続ける。 

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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