パ・リーグが取り組む新規開拓を増やす方法とは? 球団職員が明かす真実

「PACIFIC LEAGUE BUSINESS CAMP 2018」が行われた【写真:武山智史】
「PACIFIC LEAGUE BUSINESS CAMP 2018」が行われた【写真:武山智史】

新しいファンを取り込む…、北海道日本ハムが行っているのは、他のスポーツとの連携

「全く野球と関係ないコンテンツと組んで、新しいファンを増やそうと取り組んでいます。例えば先日、北海道にあるBリーグのチーム・レバンガ北海道さんの試合を北海道日本ハムが主催しました。そこではファイターズは見に行くけど、レバンガは行ったことがない、あるいはその逆のファンをお互いが新しく取り込む意図があります」

 川原氏は女性を取り込む方法として、福岡ソフトバンクが行っている「タカガールプロジェクト」の事例を挙げた。

「女性3万人が来場し、球場がピンク一色に染まるイベント『タカガールデー』もありますし、野球と関係ないイベントを球場外で行い野球とセットで楽しんでもらう企画を提案してきました。女性の方が友達を連れて来たりして促進しやすいんですね。そこで女性2、3名掛けのソファー席『タカガールシート』を設置しました。インスタ映えするデザインにして、写真を撮ってSNSに発信して広めてほしい思いはありますね」

 本拠地・楽天生命パーク宮城のレフトスタンドに観覧車やメリーゴーラウンドのある「スマイルグリコパーク」を有する楽天は、ファミリー層を意識して新たなファン獲得を狙っている。武石氏が言う。

「野球を見に来るだけではない場所、家族で休日に遊びに行きたい空間を作り上げる意図があります。それによって野球に興味がなかったお客様が球場へ行く理由が生まれてきますよね。また、最近は野球以外の他のコンテンツと一緒に組む試みもやっています。例えば、球場周辺でColor Me Rad(カラーラン)を開催した後、参加者が野球を見に行く。そのようなことが最近の楽天の強みだと思います」

 一方、藤野氏はそのキーワードの一つとして「地域に愛されること」を挙げた。

「たくさんのお客様が来てもらうのに大切なのは、地域の方々に愛される球団が近道だと感じます。例えば以前、企画チケットで夕張メロン付チケットを販売しました。地域に還元する、地域のお客様を大切にする企画を積み重ねることで、球場に来てもらう状況を作り出すのが大切ではないでしょうか」

既存の概念に囚われない企画、アイデアを生み出すこと

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