「相手より自分」―大谷翔平、順応に苦闘する中で見せる芯の強さと分析力
乱調の中にも手応え「相手よりかは自分のモノ次第」
大谷と同じ状況に置かれた場合、期待に応えるためにすぐに結果を出したいと思う選手は多いだろうし、まさかの結果を突きつけられて意気消沈する選手も多いだろう。それでも決して軸がブレることのない23歳右腕は「1回1回本当に勉強」と現実を受け入れ、「良くても悪くても必ず反省するところは出てくると思うので、そういうのを1個1個潰しながら次に向けて練習したいと思います」と、次のステップにつなげることを欠かさない。
その作業が続けられるのも、数字上は苦戦が続くオープン戦でも、本人の中では数字には表れない前進を感じているからだろう。この日の初回に20球を投げたが、打者がバットを振ったのは6球。そのうち4球で空振りを奪った。「投げ切れているボールに関しては、しっかり抑えることもできているので、本当にそこ次第。相手よりかは自分のモノ次第かなと思っています」という言葉は、自信の表れだろう。
エンゼルスのエプラーGMは「まだ完成品じゃない」と、大谷は成長過程にある若手有望株であることを強調し、アジャストを焦らせない姿勢を見せている。球団のサポートに応えるためにも、焦らず着実に土台を築くことの方が大事なのかもしれない。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)