乱打戦を生み出す不思議な地方球場 語り継がれる伝説と経験者が刻む記憶

正田氏の記憶「流れって怖い」、試合時間の歴代3傑は…

 延長戦でも守備についていた、首位打者2回を誇る名選手、広島OB正田耕三さん(現韓国プロ野球・起亜タイガースコーチ)は語る。

「プロ生活でもかなり印象に残っている。とにかく長いし、真夏だったから暑かった。もう途中からは早く終わってくれないかって思っていた。本当に横浜打線が止まらないし、打ち取ったと思ってもヒットになる。流れって怖いよね(笑)」

 ちなみに試合時間の歴代上位3試合は、1位が92年9月11日、甲子園、阪神-ヤクルトの6時間26分(延長15回、3-3、中断37分)。2位が15年8月21日、広島、広島-巨人の6時間21分(延長11回、3-4、中断1時間26分)。3位が96年9月8日、神宮、ヤクルト-横浜の6時間19分(延長14回、6-5)。

 17年CSファイナルは広島とDeNAの対戦が同じ広島のマツダスタジアムで行われ、雨天中止などでシリーズの流れが揺れ動いた。奇しくも18年はこの歴史的長時間試合、そして横浜日本一から20年という節目、という「記念すべき」年となる。

 広島東洋カープvs横浜DeNAべイスターズ。何かが起こりそうな気配漂う対戦から目が離せなくなってきた。

(山岡則夫 / Norio Yamaoka)

山岡則夫 プロフィール
 1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌Ballpark Time!を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、製作するほか、多くの雑誌やホームページに寄稿している。最新刊は「岩隈久志のピッチングバイブル」、「躍進する広島カープを支える選手たち」(株式会社舵社)。Ballpark Time!オフィシャルページ(http://www.ballparktime.com)にて取材日記を定期的に更新中。

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