イチロー、開幕前日練習後の一問一答「仰木監督がさせてくれた思いに近い」
イチローが語った20歳の時の仰木監督との思い出
――20歳の時の仰木さんの話というのは?
「これはけっこう知られている話だと思うんですけど、福岡でチームが負けて、春の早い段階で、帰りのバスの中は負けたので真っ暗なんですね、空気が。同じように僕も空気を読むじゃないですか。同じように頭を下げて行ったら、監督がバスを降りた時に『イチロー、お前、何を下を向いているんだ! ヒット1本、二塁打を打って、お前はそれでいいんだ』って、『勝ち負けは俺が責任とるから、選手は自分のやることをちゃんとやれ』って、言われたんです、20歳の時に。その時にこの人のために頑張りたいと思った、芽生えたんですね。
その当時はレギュラーで1年目のシーズンなので、自分のことを考えてやるのが精一杯じゃないですか、当然ですよね。でもチームのために頑張れと言うのじゃなくて、自分のために頑張れって、なかなか言えることじゃないですよね。しかも、これからっていう選手に対して。それですごく心が動いた記憶が鮮明にあるんですよ。それとはもちろん違いますけど、心が動いたという意味では似ていますね」
――ロッカーが移籍前と同じ場所。
「本当、アメリカ人にも粋という概念がね、ないと思っていたけど、ちょっとあるかもねって、思ってしまいました(笑)」
――(バットを立てるための)ベンチの穴も明日になったら…。
「(笑)。それはさすがにないと思うけど(笑)。今日、車に乗ってここまで来る間も最高でしたね。景色も。自分の家から通うっていうのはこんなになんか気持ちいいことなんだって。心から安らぐって難しいじゃないですか」
――今日と明日の風景も?
「当たり前にあることは本当に最高っす」
(Full-Count編集部)