6年ぶりにマリナーズ復帰 数字で見る“レジェンド”イチローの日米開幕戦
日本時代は「スロースターター」、メジャーでは「安打製造機」
6年ぶりにマリナーズに復帰したイチローは、3月29日(日本時間30日)の開幕戦に「9番・左翼」でスタメン出場した。背番号51の開幕スタメンは、ヤンキース時代の2013年以来。ここでは、イチローが日米の開幕戦で残した成績を振り返ろう。
【NPB時代】
1991年ドラフト4位でオリックス・ブルーウェーブに入団したイチローは、1年目は2軍スタートだった。2年目の1993年は、開幕戦に「9番・中堅」で先発出場した。まだこの年は「鈴木一朗」だった。
1994年に仰木監督に見いだされ、開幕前日に登録名を鈴木一朗から「イチロー」に変更。「2番・中堅」で先発し、1安打を放った。ここから驚異のシーズン210安打が始まった。
以後、屈指のスター選手となるが、NPB時代のイチローの開幕戦の成績は良くない。安打は3本だけで、長打は二塁打が1本。盗塁もない。こういった傾向から「イチローはスロースターターだ」と言われるようになった。
【MLB】
イチローは2001年にポスティングシステム(入札制度)を利用してマリナーズに移籍。この年の開幕戦に「1番・右翼」で先発し、第1打席はアスレチックス先発ティム・ハドソンの前に二ゴロに倒れる。第2打席は一ゴロ、第3打席は空振り三振だったが、第4打席で代わったTJ・マシューズから中前打、第5打席はジム・メシアからバント安打と、幸先良いスタートだった。
このシーズン、マリナーズのルー・ピネラ監督が「奴は毎日マルチヒットを打つ!」と驚くような活躍を見せ、首位打者、最多安打、盗塁王、新人王、MVPまで獲得。イチローは一躍スターダムに駆け上がる。
MLBでのイチローは開幕戦から安打を量産した。長打は1本もないが、高い出塁率でチームに貢献した。2009年は第2回WBCに出場し、体調を崩したために開幕戦を欠場したが、それを除いてマリナーズ時代は開幕戦にフル出場。2012年を除いて1番打者としてその年のチームの最初の打席に立っていた。
2012年7月にヤンキースに移籍してからは「第4の外野手」となったため、開幕戦の先発出場は1試合だけだった。しかし、MLBの通算での開幕戦打率は.370と高く、歴史に残る安打製造機にふさわしい数字を残している。今年の開幕戦では快音は響かなかったが、45歳で迎える来季開幕戦でイチローは先発出場しているのだろうか。