大谷翔平は二刀流を貫くべきか 米メディアが“神様”ベーブ・ルースと徹底比較

もしベーブ・ルースが二刀流を貫いていたら…

 そして、特集では投打以外の部分のルースについても検証。身長188センチの巨体で、ホットドッグ10本とソーダ8杯を頼んでいたという逸話もあるルースは後に体重問題に悩まされることに。レッドソックス時代のルースに対して、ヤンキースは先発時にバント攻勢を仕掛けたという。13回のバントで2度のエラーという試合もあったことから、「ヤンキースはベーブの守備が拙いとみなしていた。貴重なデータだ」と分析。また、ルースは盗塁数も少なく、「彼はそこまで速くなく、スピードは次第に落ち、守備と走塁面の価値にダメージを与えた」としている。

 当時のルースの総合的なパフォーマンスから、二刀流を継続した場合、どんな成績を残せたのだろうか。特集では、現在のメジャーリーグで最も重視されているセイバーメトリクスの指標の1つ「WAR(Wins Above Replacement)」を用いて分析している。「WAR」は様々な指標を総合し、ある選手が走攻守の全てを合わせて、どれだけ勝利に貢献したかを評価するもの。「控えレベルの選手が出場する場合に比べて、どれだけチームの勝利を増やしたか」を表している。

 投手としてのパフォーマンスが加齢や怪我などで悪化するリスクから、毎年10パーセントずつ成績を下げ、30歳になるまで打撃成績を横ばいで計算した場合、1925年シーズンの30歳の時点で、ルースのWARは「50」に到達する計算になるという。守備や走塁面を加味した場合、WARは「35~40」という数値になる可能性もあるとしている。

 また、当時のレッドソックスのチーム事情も振り返っている。(戦争の)兵役の影響で選手の補強が困難だったため、「レッドソックスはコーナーポジションしかプレーできない打者の必要は特段なかった」と分析。外野はホリー・フーパーら名手が揃っており、一塁も補強の必要はなかったというのだ。

 そして、特集では「ベーブはフルタイムの投手を続け、先発登板の合間に代打として最大限活用されるべきである。怪我さえなければ、この状況なら1シーズンあたりのWARで約9という数値になるだろう。これは球界でトップ6のうちの一人の成績である」と結論づけている。

 投手としての最終年となった1919年は防御率はリーグ平均に留まったが、ホームランはリーグ記録を更新。18年から25年までは打者としてWAR「77」を記録したというルース。キャリア通算のWARは打者として「162」、投手として「20」という成績を残した。先代は投手の道を断念し、「野球の神様」となったが、大谷は二刀流の道を貫き通すのだろうか。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY