12球団で最も遅い白星 中日新助っ人左腕が見せた気迫「全身全霊で」
執念の適時内野安打「全力で走った」
「開幕してから悪い流れだったので、なんとかチームの悪い流れを、連敗を止められるようにと思って投げたよ」と振り返ったガルシア。左腕の執念はマウンドだけでなく、攻撃面でも表れ、それが勝利に繋がった。
1点リードで迎えた4回だった。先頭の福田永将が中堅フェンス直撃の二塁打で出塁。その後2死一、三塁で左腕に打席が回ってきた。2ストライクと追い込まれてからの3球目。巨人先発の吉川光夫が投じた真っ直ぐに、打球はボテボテのゴロとなった。一塁へと全力疾走のガルシア。際どいタイミングで塁審の判定はアウトだった。だが、森繁和監督がリクエストを要求。リプレー検証の末に判定は覆り、適時内野安打となった。
「投手が取らなければどうにかなると全力で走ったよ。サードが油断していたかもしれないね」。来日初登板初先発で初勝利を挙げ、さらには初安打初打点もマークしたガルシア。「ヒットを打ったのも、勝利できたのも嬉しいけど、チームが勝って良かった」と喜んだ。
「プロになってから初めてのヒットだと思うね」と笑顔で語り、喜んでいた左腕。実際にはロッキーズ傘下時代の2013年にマイナーで9打数3安打、打率.333をマークしていたが、そこはご愛嬌。初のお立ち台に立ち「とても満足している。最初のゲームで勝つことが出来て本当に嬉しい。チームの流れが悪かったので、全身全霊で力を込めて投げたよ」と語ったガルシアは、間違いなく中日に初勝利をもたらした立役者だった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)