16歳の最年少スラッガー、「フルスイング」で狙う侍ジャパン女子代表入り
侍ジャパン女子代表の第2回強化合宿、村田が3安打1打点の大活躍
「第8回WBSC女子野球ワールドカップ」(8月22~31日、米国フロリダ)で6連覇を目指す侍ジャパン女子代表の第2回強化合宿2日目が14日、高知県安芸市の安芸市営球場で行われた。
代表候補35人が20人に絞られるサバイバル合宿で存在感を発揮したのは、村田凪佐外野手(京都外大西高2年)だ。紅組の4番に座り、3打数3安打1打点の活躍。吉澤栞菜内野手(札幌新陽高2年)とともにチーム最年少のスラッガーが、猛アピールした。
16歳が両チーム合わせて唯一の得点を叩き出した。初回2死二塁、紅組の4番に座った村田が、右足を高く上げる豪快なフォームからフルスイング。打球は右翼手の頭を越える適時三塁打になった。「守備は下手だし、バントもできない自分ができるのはフルスイングして打つこと」。4回には右前打、7回には中前打を放ち、両チーム合わせて8安打のうち、1人で3安打をマークした。
昨年11月のトライアウトでは、スイングスピード121キロをマークした。全参加者中3位の好成績。その長打力を買った橘田恵監督は「バッティングはすごくいい。それでここにいるし、きょう4番にしたのも打撃に期待しているというメッセージ」とうなずいた。
まだ16歳だけに荒削りだ。合宿初日の紅白戦では「7番・中堅」で先発出場して2打数1安打。第1打席で右中間二塁打を放ったものの、送りバントを失敗した後だったので評価されなかった。この日は苦手な守備には就かず、DHでの出場でのびのびと力を発揮した。「場面設定が簡単だったら彼女は打てる」と指揮官にあらためて認識させた。
打力は魅力だが、20人で9試合を戦う本大会では選手にマルチな能力も求められる。この日の試合後に橘田監督は「走塁とか守備での球際とか、詰めが甘い。いいものを持っているのだから、一流選手を目指すならそこをしっかりやろう」と村田に語りかけた。
元々、村田が昨年11月のトライアウトに初めて挑戦したのは、指導者に勧められたからだった。「(日本代表は)全く違う世界だと思っていた」と言う高校生が飛び込んだサバイバル合宿。「周りの人たちはすごい人たちばかりでお手本になる。少しでも学べたらいい」。まだ自分の大きな可能性に気づいていない16歳が、これからどんな成長を遂げるのか、楽しみだ。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)