「丸の内朝大学」でプロ野球講座開講 出勤前の社会人と考える野球の魅力
申し込み開始から1週間も経ずに定員到達の人気ぶり
平日朝7時台から開講している市民大学「丸の内朝大学」で、「プロ野球の魅力再発見」をテーマにした講座が開講した。丸の内朝大学は、日本のビジネスの中心である東京・丸の内周辺をキャンパスに、出勤前の平日朝7時台から地域活性や健康などをテーマに多様な講座を開講している市民大学。2009年に開講し、今年10年目を迎える同大学では、これまで延べ1万8千人以上が受講している。そんな同大学の歴史の中で、今回のように「野球」をテーマにした講座は初めてだという。
プロ野球を取り巻く環境を見ると、観客動員は年々増えているが、新たに球場に足を運ぶファンが増えたというわけではなく、以前からのファンの来場回数が増えている傾向が強い。今回の講座の仕掛け人である埼玉西武ライオンズの中條綾美さんは、「丸の内朝大学という何事かに対して非常に意欲的な社会人の方が集まる場で、プロ野球の魅力を改めて感じていただくと共に課題感も認識いただいた上で、新たなプロ野球ファンづくりのヒントを一緒に考える場になればと思い、クラスを設立しました」と語る。
プロ野球というコンテンツ力はもちろんのこと、講師陣の多彩な顔ぶれも相まって同講座への注目度は高い。申し込みを開始すると初日で定員の8割が埋まり、1週間を経たずに定員に達したという。これは全部で19ある春学期の講座の中でも、1位、2位を争う速さだったとのこと。「初めての取り組み、かつ事前のPRを行わない方針をとったので、定員に達するほどの応募があるか不安でしたが、予想以上のハイペースで定員となったのは驚きでした」と中條さん。受講者の平均年齢は39.1歳。20代の学生から50代の会社員まで、男女比はほぼ半々。丸の内朝大学では比較的女性の割合が高いため、ほぼ半々というのは珍しいという。
同講座では「プロ野球の魅力を再発見」をテーマに全8回の講義を実施する。中條さんは「最後の講義では、受講生から『社会人の方が球場に足を運んで観戦をするためにどういったことが必要であるか』についてアイディアを出していただきます。講座終了後など、今後はそういったアイディアを実行する機会が作れればと考えています。また、丸の内朝大学にとどまらず今後も様々な人を巻き込んで、プロ野球ファン拡大のきっかけの種をまいて花を咲かしていきたいです」と語った。
(「パ・リーグ インサイト」森亜紀子)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)