開幕オーダーで見る指揮官たちの所信表明 ロッテは若い力、楽天は新3番を…
ロッテは12球団唯一、開幕3連戦を不動のオーダーで挑んだ
対するロッテは12球団で唯一、開幕3戦を不動のオーダーで戦った。
2番に藤岡裕大、6番に菅野と2人のルーキーが開幕スタメンに起用された。これはロッテでは1997年の小坂誠、清水将海、以来21年ぶりのことだった。
不動のオーダーとなったのは、楽天の先発がすべて右投手であったこと、さらに言えば角中を怪我で欠き、選手層が薄いなど、そう言った台所事情はあったにせよ、この和製オーダーが井口監督の所信表明である。そしてこの新生ロッテ打線が昨年の概念を吹き飛ばす活躍を見せることになる。
特に注目したのは2番の藤岡裕大。開幕戦の初回、1番・荻野が二塁打で出塁。ここでどのような作戦を取るかで井口監督の藤岡裕に期待するものが見える。その答えは強攻策。結果レフトオーバーの二塁打。ランナーの状況判断が悪く打点にはならなかったものの、藤岡裕は強烈なデビューを果たす。
次の打席でも楽天の絶対的エース則本昂大から三塁打を放ち、さらには4打席目にシングルヒット。新人の開幕戦サイクルヒット達成という前代未聞の大記録まであとはホームランを残すのみとなった。スタジアムもそれを察してか「ホームラン!ホームラン!藤岡!」のコールが。
しかし、本人もそれを意識してだろうか、8回はハーマンの高めのつり球に手を出し空振り三振。延長11回、一打サヨナラの場面でも空振り三振とサイクルヒット達成はならなかったが「打てる2番」としてしっかりアピールできたデビュー戦となった。
第2戦では3番・中村、4番・井上がアベックホームランという昨年発動できなかった長打力による攻撃で楽天に勝利。井口監督に初勝利をもたらした。また第3戦では、1点ビハインドの3回、無死2塁から藤岡裕がライトへのタイムリーヒットで同点、相手エラーで逆転したのち菅野が1死二、三塁の場面でタイムリーを放ち4-1と楽天を突き放す。両ルーキーの活躍で開幕カード勝ち越しを決めることとなった。
開幕3戦時点でのデータで早計であることは承知だが、菅野のOPSが1.425、藤岡裕が1.067。今年のルーキーがOPSランキング1位、2位に輝いたのだ。
またチームとしても、OPS.868、16四球はリーグ1位、盗塁5はこの時点でリーグ2位だった。今後も井口采配のお手並み拝見である。