ハム守護神育成計画が第2段階へ 石川直が8回のマウンドで求められるモノ

北海道移転後、5度のリーグ優勝は「投手力」がカギ

 04年の北海道移転後、5度リーグ優勝を果たした日本ハムの原動力は安定した投手力にあった。特にリリーフは生命線。マイケル、武田久、増井浩俊と絶対的なクローザーが僅差のゲームを締めてきた。増井とセットアッパーだったマーティンが抜け、リリーフ陣の再構築が求められる今季、首脳陣は191センチの長身から投げ下ろす150キロ超の直球と鋭いフォークを武器にする石川直を、将来のクローザーとして育成することを決めている。

「エースとクローザーは日本人がいいと思っています。(今回の配置転換は)監督の要望で、ゆくゆくはクローザーになってほしいけれど、今はチーム勝ちやすい形で勝ちながら成長を促そうということ。まだ1年間クローザーを務める体力がないので、投げるところを変えながら1年間怪我なくやってもらうということは開幕時から考えていたことです」と吉井理人投手コーチが説明する通り、育成プランに則った配置転換だった。

 栗山監督も「8回は逆に非常に難しいイニングなので、背負わせるものが大きくなってしまうかもしれない」と言いながらも、「いろんなことを経験しながら確実に前に進んでほしい」と期待を寄せる。

 石川直の代わりにクローザーを任された新外国人のトンキンはすでに4セーブを挙げ、機能している。チームは4連勝で貯金4を蓄え、首位の西武と3.5ゲーム差の2位。勝利と育成の両輪がうまく回り始めている。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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