中日松坂、笑顔の4241日ぶり白星! 6回8四死球も1失点、右肩故障乗り越え
2006年9月19日のソフトバンク戦以来の白星でチームの連敗もストップ
中日の松坂大輔投手が、4241日ぶりの勝利をあげた。30日、本拠地ナゴヤドームで行われたDeNA戦。今季3度目の先発マウンドに上がった「平成の怪物」は6回を投げ、DeNA打線を押し出し四球の1点のみに抑えた。8つの四死球を与える荒れた内容だったものの、3安打1失点で2006年9月19日のソフトバンク戦以来となるNPBでの白星を掴み、チームの連敗も4で止まった。
初回、先頭の神里に四球を与えた松坂だったが、大和への2球目で女房役の大野奨太が盗塁を阻止。大和を左飛に切って2死とすると、ここで横浜高校の後輩・筒香嘉智外野手と対戦。初球、開幕後最速となる144キロの真っ直ぐで見逃しのストライクを奪うと、2球目の変化球で左飛に打ち取った。走者は出したものの、結果的には3人で斬って取り、初回を無失点で切り抜けた。
その裏、味方打線がビシエドの右前適時打、福田の右中間への適時打などで3点を先制。幸先よくリードをもらった松坂は2回も無失点。3回に大和へ死球、この日2度目の対戦となった筒香にも四球を与えて2死一、二塁とされたが、ロペスを左飛に打ち取って、自ら招いたピンチを凌いだ。4回には先頭の宮崎に右前安打を浴びたが、梶谷、宮本、飯塚と圧巻の三者連続空振り三振に仕留めた。
5回、先頭の戸柱に二塁内野安打を許すと、1死から大和、筒香に連続四球を与えて満塁のピンチを招いた。ロペスは三ゴロに仕留めて2死としたが、宮崎に押し出しの四球で1点を失った。それでも、右腕は梶谷を一ゴロに打ち取り、何とか最少失点で切り抜けた。5回で球数100球に達していたが、6回もマウンドへ上がると、この回も走者を出したが、無失点でしのいだ。6回3安打8四死球1失点。リリーフ陣もリードを守り抜き、ついに松坂が復活の白星を掴んだ。
2015年、メッツからソフトバンクへと加入して日本球界に復帰した松坂。3年間在籍したソフトバンクでは右肩の故障に苦しみ、移籍1年目の8月には投手の命といえる右肩の手術に踏み切った。長く険しいリハビリの日々。状態が回復し実戦の舞台に復帰したと思えば、また不調が出てリハビリ組に逆戻りとなる繰り返しだった。結局、ソフトバンクでは1軍登板1試合のみ。オフに戦力構想外となり、退団して新天地を求めることを自ら決断した。
所属先の決まらぬ「平成の怪物」に手を差し伸べたのが、中日だった。西武時代から知る森繁和監督、友利結国際渉外担当の尽力により、テストを経て入団が決定。苦しめられてきた右肩の状態も良好で開幕から1軍の戦力となった。過去2度の登板では味方の援護に恵まれないなど白星に手が届かなかったが、“3度目の正直”で、メジャー時代含め4年ぶりとなる勝利投手となった。
試合が終了すると、松坂は満面の笑みを浮かべて小走りでダグアウトからグラウンドへ。チームメートとハイタッチを交わし、久々の勝利の味を噛み締めた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)