開幕から1か月が経過、西武の快走を止めるのはどのチーム? パ・リーグ総括

オリックスはエース・金子が今だ未勝利と大誤算

〇オリックス リーグ5位

 ここまで10勝15敗1分で、順位は5位。Aクラス入りに向けて一進一退が続いている。エースの金子千尋が防御率5.75と安定感を欠き、西も防御率2.06ながら2勝3敗。投打のかみ合わない試合はなすすべもなく落としてしまっている。

 ただ、アルバースとディクソンの両外国人が安定した投球を見せ、ローテーションを支える存在に。かつてセットアッパーとして大活躍した比嘉も7試合に投げて防御率0.00と、復活の兆しを見せている。

 打線では吉田正が開幕からケガなく出場し、相変わらずレベルの高い打撃を披露している。1番打者として起用され続けている宗も苦しみながら必死に役割を果たし、30日にはプロ初本塁打となる先頭打者弾を放った。また、第3捕手と見られていた伏見選手が打率.308とアピール。一塁でスタメン起用されるなど活躍の場を広げている。

 ただやはり、今後さらに上を目指すためにはエースと4番の復調が不可欠。金子千尋とロメロが本来の力を発揮すれば、チームに勢いがもたらされる可能性は高い。

〇楽天 リーグ6位

 開幕からカード勝ち越しが一度もなく、26試合を終えて白星はわずか6つ。単独最下位に沈んでいる。カード2巡目に突入し、なんとか復調のきっかけが欲しいところだ。

 投手陣では、絶対的守護神の松井が防御率6.30とまさかの大不振に陥り、福山、高梨といった昨季の勝ちパターンも安定感を欠くピッチングが続いたまま。昨季2桁勝利を挙げた美馬も防御率6.75と苦しみ、2軍に降格している。

 野手陣では「恐怖の2番」として強烈なインパクトを残していたペゲーロが、やや復調の気配を見せつつも打率.181と大不振。ウィーラーもまだ2本塁打と打線全体が不振に陥り、島内が故障で戦線を離れたことでも攻守に大きな穴が開いてしまった。

 それでも岸が4試合に先発して防御率2.48と安定しており、辛島も4試合で防御率1.82と奮闘。中継ぎ陣に不安がある中でも一時チーム防御率リーグトップに立っていたのは、彼らの踏ん張りがあったからだ。

 相手先発の乱調に付け込んだ形とはいえ、12得点を奪って快勝した15日の西武戦を復調のきっかけとしたいところだったが、4月30日現在も最下位脱出はならず、7連敗を喫している。昨季序盤はリーグ首位を快走し、クライマックスシリーズでソフトバンクを追い詰めたチームの復調を、杜の都のファンたちは願っている。

 以上、開幕1か月が経過した中でパ・リーグ6球団のチーム状態を総括した。どのチームにも少なからず誤算はあり、それをカバーできるだけの戦力が台頭しているチームが自然と上位争いを演じている格好だ。

 とはいえ、開幕から20数試合の時点でペナントレースの行方が決まるわけではない。ここからの反攻に向けて、あるいはさらなる躍進に向けて。今後の各球団の戦いぶりに要注目だ。

【動画】西武が破竹の開幕8連勝! 劇的シーンを総特集!

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY