昨夏王者・花咲徳栄が浦和学院にサヨナラ負け 3年連続同一カードの決勝戦

100回大会の今夏は埼玉から2校が出場

 敗れはしたが、打線の破壊力は半端でない。今大会は初戦の2回戦から決勝までの5試合で60得点。昨夏の甲子園では6試合で80安打、61得点したが、そのチームにも見劣りしない。

 こんな武器を持つチームが故に1、2年生で唯一のレギュラーとした初優勝を経験した野村は、投手力の整備を強調する。「去年のように150キロの速球を投げる投手も、三振を取れる投手もいないので、全員が自覚を持って制球力をつけたりしないといけない。斎藤は経験もあるのだからしっかりやってほしい」と厳しくも適切な言葉を発した。

その斎藤は「蛭間君には注意していたんですが……。きょうの悔しさを忘れず、苦手の左打者への制球力とメンタルを鍛え直したい」と捲土重来を誓う。

 今夏の甲子園は100回の記念大会のため、埼玉からは2校が出場する。1998年の第80回記念大会は、東部地区と南部で争う東埼玉大会と西部地区と北部が対戦する西埼玉大会だったが、2008年の第90回記念大会では西部と南部の南埼玉大会、東部と北部の北埼玉大会に変更された。

 東部地区に所属する花咲徳栄が力をつけてきたことで、浦和学院のいる南部との対戦を回避することにした措置だ。今回もこれを踏襲するため、花咲徳栄と浦和学院はぶつからない。もちろん北埼玉大会の優勝候補筆頭格は花咲徳栄だが、岩井監督は「厳しい戦いを乗り越えながら勝ち進みたい」。夏の予選の難しさを何度も実感している指揮官らしい言葉だった。

(河野正 / Tadashi Kawano)

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