左膝死球の燕・青木、欠場もベンチで“存在感” サヨナラ呼ぶ鼓舞「凄い試合」
前日に大瀬良から死球で途中交代もベンチ入り「何とかチームに貢献したかった」
ヤクルトの青木宣親外野手が“存在感”でチームに今季2度目のサヨナラ勝ちをもたらした。5日の広島戦の初回に大瀬良から左膝に今季6個目の死球を受け、打撲で6日の広島戦(神宮)はスタメンを外れた。腫れもひどく、打席に立っても走るのは厳しかったようで、代打のチャンスが何度もあったが、小川監督は大事をとった。
しかし、青木はベンチに入り、ナインを鼓舞。敗色濃厚だった1-2の9回、攻撃前の円陣では中心になってナインに気合を入れた。すると、2死走者無しから、代打・大引に起死回生の同点ソロアーチが飛び出す。1点リードされた延長10回は中継ぎの風張が代打で出てスリーバント失敗、西浦も空振り三振で2死になったが、昨年、椎間板ヘルニアの手術で苦しい思いをした川端が執念で中前へ同点打を放った。そして、延長11回に坂口がサヨナラ二塁打。青木は膝の痛みも忘れ、真っ先にベンチを飛び出し、お立ち台の坂口に頭から大量の水をかけて喜びを爆発させた。
「凄い試合。本当に(勝てて)よかった。俺以外に(代打は)いなかった。粘っていたし、何とかチームに貢献したかった」と延長11回には代打の準備もしていたが、その思いが坂口のバットを通じてサヨナラ勝ちに結びついた。小川監督は青木の代打起用に関して「何とも…」と口を濁しながら、脅威の粘りを見せた戦いぶりに「この接戦をものにして、これからの戦い方が変わってくる」と最下位脱出への手応えを口にした。
(細野能功 / Yoshinori Hosono)